2019、9、29    聖霊降臨節第17主日礼拝      牧師 川﨑善三

「金持ちとラザロ」                   ルカ16:19~31

  わたしたちが死んだら、どうなるのかと言う問いかけに、聖書は具体的にこうなるの

ですと明確に答えてくれません。そもそも、死後の世界があるのか、ないのかと言うこと

から、聖書はどう言っているかを聞かなければなりません。旧約聖書に、死んだ人が占い

師によって呼び起されると言う話があります。(サムエル記上28:7~15)サウル王は、

口寄せの女の所に行って神さまに伺いを立ててくれるようにと願いました。すると、女は

サウルに言いました「神のようなかたが地からのぼってこられます。ひとりの老人です。

その人は上着をまとっておられます」サウル王は、その人が預言者サムエルであることを

知り、地にひれ伏して拝しました。この話が旧約聖書の中で唯一、死んだ人が口寄せの女

によって姿を現したという話です。すなわち、死んだ人はこの世界と別の場所にいると言

うこと、死後の世界があると言うことの聖書の証言です。ですから、ユダヤ人は死んだの

ち、わたしたちは死後の世界に行き、終わりの日のよみがえりを待っているという信仰を

持っていました。このことを前提として、イエスさまはひとつのたとえをお話しになまし

た。ある金持が、ぜいたくな着物を着て、毎日、飲めや歌えの生活をして遊び暮らしてい

ました。ところが、彼の家の玄関にはラザロという貧しい人がすわり、家から出てくる残

り物をいただこうと待っていました。ラザロは全身でき物でおおわれ、薬を塗ってくれる

人もいませんでした。だから、犬がきて彼のでき物をなめてくれました。やがて、この貧

しい人が死にました。神さまは天の御使を送って、アブラハムのふところにラザロを連れ

ていって下さいました。金持も死んで葬られましたが、彼は黄泉の火の中に送られ、苦し

み悶えていました。金持はアブラハムに言いました「アブラハムよ、わたしをあわれんで

下さい。ラザロをつかわして、その指先を水でぬらし、わたしの舌を冷やさせて下さい」

すると、アブラハムと言いました「子よ、思い出すがよい。あなたは生前よいものを受け、

ラザロの方は悪いものを受けた。しかし今ここでは、彼は慰められ、あなたは苦しみもだ

えている」この話は、この金持が特別悪い人間であったとは言っていません。しかし、彼

は無慈悲な人でした。あなたの隣人を愛しなさいという律法の教えを実行していませんで

した。貧しいラザロを憐れむことをせず、自分だけのためにぜいたくな暮らしをしていた

所に、この人の罪があります。ラザロが特に良い人であるとか、神を信じていたと言うこ

とについても、一切言及がありません。ただ、彼は自分の置かれている境遇に対して、何

んの不平不満も言わず忍耐していました。神さまは、このような人をかえりみて下さいま

す。イエスさまは、死後の世界があること、天国と言われる慰めの国と火炎で苦しまなけ

ればならない世界があることを示されました。そして、わたしたちがどう生きたかによ

って、その報いを受けるということが示されています。隣人を愛することを心がけましょ

う。