2019、10、20      聖霊降臨節第20主日礼拝     牧師 川﨑善三

「救いがこの家にきた」                   ルカ19:1~10

 エリコの町には、イエスさまが来られるのを待ちわびる人がいました。この人はザアカ

イと言って、取税人のかしらで大金持ちでした。ローマの支配下にあったユダヤの国は、

ローマに税金を納めなければなりませんでした。その税金を取り立てるのが取税人で、税

金の多寡は取税人のさじ加減のようなところもあり、彼らは税金を多く取り立てて、納め

る額は少なくし、その差額は取り込んで私腹を肥やすようなことをしていました。ローマ

の手先だと嫌われるだけでなく、そんな悪いことをしていたのですから、罪人のかしらの

ように思われていました。しかし、お金はあり余るほど持っていました。いくら、お金が

あっても、お金は人の心を満たしてくれません。ザアカイは友人もなく孤独に悩んでいま

した。そんな彼のところへ、イエさまが町に来られるといううわさが届きました。ザアカ

イは是非、お目にかかりたいものだと思いました。しかし、日頃から町の人々に嫌われて

いる彼のことですから、誰も誘ってくれる人もいません。また、人垣のうしろの方から見

ようとしても、背が低くて人の後ろからではイエスさまのお顔を見ることができせん。し

かし、ザアカイは頭のいい人でした。彼は道のほとりにある大きないちじく桑の木に登っ

て、そこからイエスさまを見ようとしました。ザアカイは家を早めに出て、ここなら葉の

かげに隠れてこちらの姿は見えないけれど、向こうの方は一望に見渡せるという格好の枝

を選び、腰をおろして待っていました。ザアカイは、はやる心を抑えて想像しました。イ

エスさまが、このあたりで立ち止まり、何気なしに顔を上に向けて、こちらからよく見え

る格好をしてくださり、それから、また歩いていかれる、そんな風になったらすばらしい

だろうなあと思いました。ザアカイは自分が特等席にでもいるかのような錯覚にとらえら

れ、興奮した面持ちでしばらく感激にひたっているうちに、イエスさまの一行はすぐ近く

まで来ていました。慌てたザアカイは、イエスさまをよく見ようと身を乗り出しました。

イエスさまは彼が想像していたとおり、上を見上げられました。まさかと思って、やり場

を失った目をどこかへ移そうかと慌てていると、想像とは違って、イエスさまの方がザア

カイに声をかけて下さいました。「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。きょう、あなたの

家に泊まることにしているから」ザアカイの予想もしなかったことが起こりました。ザア

カイは耳を疑いました。人目みたいという願いが叶えられるだけではなく、家にお迎えす

るというところまで引き上げられました。ザアカイは感激し、これまでの生き方を変えよ

うと思い、こう言いました「主よ、わたしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。

また、もしだれかから不正な取り立てをしていましたら、それを四倍にして返します」イ

エスさまはこの事を喜び、言われました「きょう、救いがこの家にきた」イエスさまは今

日も、私たちの家を訪ねて下さいます。