2020、2、23      降誕節第9主日礼拝        牧師 川﨑善三

「水の上を歩いたペテロ」                マタイ14:22~33

 イエスさまが、ガリラヤ地方で伝道しておられた時のことです。イエスさまのゆく所、

大ぜの群衆がついて廻りました。あるとき、人々がお話を熱心に聞くあまり、時のたつの

を忘れて夕方になってしまいました。弟子たちが言いました「ここは寂しい所でもあり、

もう時も遅くなりました。群衆を解散させ、めいめいで食物を買いに村々に行かせてくだ

さい」主は言われました「彼らが出かけていくには及ばない。あなたがたの手で食物をや

りなさい」神のことばを慕い求める人々に、その肉体を支えるための食物も、神さまは用

意してくださるというイエスさまの信仰が表されています。「わたしたちはここに、パン五

つと魚二ひきしか持っていません」このような少量の食べ物が、何の役に立つでしょうか

と言いました。イエスさまは「それをここに持ってきなさい」と言われました。そして、

群衆を草の上にすわらせて、五つのパンと二ひきの魚を手にとり、天を仰いでそれを祝福

し、パンをさいて弟子たちに渡されました。弟子たちはそのパンを群衆に配りました。パ

ンはもくもくとふえ続けて、みんなのものは食べて満腹しました。そして、パンくずを集

めると十二のかごにいっぱいになりました。群衆は驚きました。そして、パンを配った弟

子たちも喜び踊りました。しかし、このような得意の絶頂ともいうべき時が、信仰的に危

険な時です。パンを食べて満腹した群衆は、イエスさまをとらえて王にしようとしました。

そこで、イエスさまはすぐに群衆を解散させて、しいて弟子たちを舟に乗り込ませ、向こ

う岸へ先におやりになりました。

弟子たちは、いつもイエスさまと行動を共にしました。しかし、時として、イエスさまと

離れなければならない時がありました。彼らは人生の荒海にこぎ出して、自分の力で先に

すすまなければなりませんでした。私たちの人生は、順風ばかりではありません。むしろ

逆風の時が多いかも知れません。弟子たちは波に悩まされながら、海の上を漂っていまし

た。夜明けの四時ごろ、あたりが明るくなり始めた頃、イエスさまが海の上を歩いて近づ

いてこられました。弟子たちは恐怖のあまり叫び声をあげ、「幽霊だ」と言って騒ぎ始めま

した。イエスさまはすぐに声をかけ「しっかりするのだ、わたしである。恐れることはな

い」と言われました。小島伊助先生が、いつもこの言葉をもって私たち神学生に語りかけ

て下さいました。「我なり、恐れるな」人生の荒海に船出して、波風に翻弄され、まさに沈

みかけるとき、私たちはこのおことばを思い出すべきです。

イエスさまか海の上を歩いて自分たちの所に来て下さった。弟子たちは、声もなく驚いて

しまいました。ペテロは言いました「主よ、あなたでしたか。では、わたしに命じて、水

の上を歩いてみもとに行かせてください」ペテロは水の上を歩いてイエスさまの近くまで

行きました。しかし、風を見て恐ろしくなり、おぼれかけました。イエスさまはすぐに手

を伸ばし彼をつかまえて言われました「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」

私たちは、イエスさを見続けているならば、水の上をあるくことができます。人生の勝利

者となれるのです。「わたしはすでに世に勝っている」と、主は言われます。