2020、10、4     聖霊降臨節第19主日礼拝       牧師 川﨑善三


「罪人を招くために」                     マタイ9:1~13                          

 イエスさまは、ナザレを出てガリラヤ湖の周辺の町々、村々を巡回して伝道されました。

巡回が終ると、自分の町カペナウムに帰ってこられました。すると、たくさんの人々が集

まってきました。そこに、ひとりの中風をわずらっている人が床に乗せられたまま、やっ

てきました。イエスさまは彼らの信仰を見て「子よ、しっかりしなさい。あなたの罪はゆ

るされたのだ」と言われました。イエスさまは中風の人を運んできた人々の信仰をしっか

りと受けとめて下さいました。この人々は、イエスさまならばこの人の病を癒して下さる

にちがいないという信仰があったと言うことです。                  

ところが、イエスさまは意外なことを言われました。「子よ、しっかりしなさい。あなたの

罪はゆるされたのだ」この言葉を聞いたパリサイ人たちは、心の中でこう思いました。「こ

の人は神を汚している」わたしたちの罪をゆるすことのできるのは、神さまだけだ。それ

なのに、イエスは自分を神と等しい者として、「あなたの罪はゆるされた」と宣言したと思

ったのです。それは神を冒涜するものだと彼らは思ったのです。しかし、イエスさまは、

ご自身が神の子キリストであることを人々に証しするために、まず中風の人に「あなたの

罪はゆるされた」と言われたのです。この人は、自分が罪人であることを悟っていたこと

でしょう。ですから、イエスさまからそう言われたとき、心から喜びました。しかし、イ

エスさまは、それだけで終わらせようとはされませんでした。「人の子が地上で罪をゆるす

権威を持っていることが、あなたがたにわかるために」と言って、中風の人に「起きよ、

床をとりあげて家に帰れ」と言われました。すると、この人は起きあがり、元気になって

家に帰っていきました。「神が御子を世につかわされたのは、世をさばくためではなく、御

子によって、この世が救われるためである」(ヨハネ3:17)イエスさまがこの世に来て下さ

ったのは、罪人をさばくために来られたのではありません。わたしたちを救うために来て

くださったのです。

イエスさまは、そのあと収税所にすわっているマタイという人を見かけられて、彼に声

をかけて言われました「わたしに従ってきなさい」。マタイはその日、大勢の取税人や罪

人たちを、家に招いて、イエスさまとその一行とで盛大な晩餐のときを持ちました。そ

の中には、パリサイ人もいました。パリサイ人たちは、弟子たちの所に来て言いました

「なぜ、あなたがたの先生は取税人や罪人などと食事を共にするのか」パリサイ人たち

は、取税人や罪人と自分を比べて、自分は正しい人間だと自負していました。だから、イ

エスさまが、まことの義人ならば、罪人と言われるような人々と積極的に交わりを持と

うとされるのは、おかしいと彼らは思ったのです。イエスさまは、これを聞いて言われ

ました「丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である。『わたしが好むのは、あわ

れみであって、いけにえではない』とは、どういう意味か、学んできなさい。わたしが

きたのは、義人を招くためではなく、罪人を招くためである」イエスさまは、この世の

病める人、罪人を救うために来て下さいました。