2020、11、8      降誕前第7主日礼拝      牧師 川﨑善三

「悔い改めの実」                    マタイ3:7~12

 バプテスマのヨハネは、神からつかわされた人として、この世に生まれて来ました。

クリスマスになりますと、マリヤへの受胎告知と共に、バプテスマのヨハネの誕生話が語

られますが、それは、彼が神からつかわされて生まれてきたことを示すためのものです。 

「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞き入れられたのだ。あなたの妻エリサベツは男

の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい」(ルカ1:13)ザカリヤは祭司でした。

ある時、彼はくじを引き、神の宮、聖所に入って香をたくことになりました。香をたくと

いうことは、聖所の外で祈る人々の祈りを神さまに取り次ぐ役割をするわけです。ザカリ

ヤは民衆の代表として、イスラエルを救って下さる救い主が来て下さるように、神に祈っ

ていたのです。すると、天の使が現れ、香壇の右に立ちました。ザカリヤは天の使を見て、

恐怖の念に襲われました。罪と汚れのうちにある人間が、聖なる存在に出会った時に感じ

る恐れです。祭司ザカリヤは天の使の姿を見て、わたしは滅んでしまうと思ったのです。

すると、天の使は「あなたの妻エリザベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名

づけなさい」と言いました。バプテスマのヨハネは、このように天の使によって告知され、

神から与えられた使命を果たすために生まれてきました。そして、ヨハネは成人してユダ

ヤの荒野で、神からの教えを人々に語りました「悔い改めよ、天国は近づいた」ヨルダン

川でバプテスマを授けていたヨハネのところに、エルサレムとユダヤ全土、ヨルダン付近

一帯の人々が、ぞくぞくとやって来て、罪を告白し、ヨハネからバプテスマを受けました。

このことから、ヨハネのバプテスマを悔い改めのバプテスマ、あるいは水のバプテスマと

呼ぶわけです。ヨハネはパリサイ人やサドカイ人が、大ぜいやってきてバプテスマを受け

ようとしているのを見て、言いました「まむしの子らよ、迫ってきている神の怒りから、

おまえたちはのがれられると、だれが教えたのか。だから、悔い改めにふさわしい実を結

べ」パリサイ人やサドカイ人とは、エルサレムにいる宗教的な特権階級の人々のことです。

この人々は、自分たちは義人であり、永遠の命を与えられると思っている人々であり、ア

ブラハムの子孫として神から祝福を受けることができると自負している人々でした。この

ような人々が、私たちもヨハネからバプテスマを受けておこうと安易な気持ちでやってき

たのです。ヨハネは彼らの心の状態を知って、きびしい言葉で悔い改めの実を結べと迫っ

たのです。ヨハネはまた、こんなことを言いました。「わたしのあとから来る人はわたしよ

りも力のあるかたで、わたしはそのくつをぬがせてあげる値打ちもない。このかたは、聖

霊と火とによっておまえたちにバプテスマをお授けになるであろう」ヨハネの授けている

バプテスマは、やがて来られるイエス・キリストによって授けられる聖霊と火によるバプ

テスマを予表するものであると言ったのです。わたしたちが、イエス・キリストを信じて

バプテスマを受けるとき、神はわたしたちの罪をゆるし、火によって焼き尽くし、ご聖霊

を注いで下さり、わたしたちは新しく生まれ変わることができるのです。悔い改めの実は、

すなわち御霊の実であります。