2021、2、7           降誕節第7主日礼拝        牧師 川﨑善三

「癒し主キリスト」                    マタイ15:21~28

 イエスさまの伝道活動は、ガリラヤ地方のすみずみにまでおよびました。ガリラヤ湖の

対岸のゲラサ人の地で、墓場に住んでいたひとりの男性が悪霊を追い出していただき、正

気になりました。そうしたしるしを見た人々は病人を連れて、イエスさまの所にやってき

ました。しかし、神の栄光が現されるとき、それに反対する力が現れてきます。エルサレ

ムから来たパリサイ人や律法学者たちが、イエスさまに反対し、イエスさまの邪魔をした

のです。そこで、イエスさまは彼らから離れて、ガリラヤ湖の西ツロとシドンの地方に退

かれました。すると、イススさまの所にその地方出のカナンの女がやってきて言いました

「主よ、ダビデの子よ、わたしをあわれんで下さい。娘が悪霊にとりつかれて苦しんでい

ます」娘の苦しみは、母の苦しみです。この女は、娘の苦しんでいるのを見て、いてもた

ってもおられず、イエスさまのうわさを聞いてイエスさまの所にやってきたのです。「主よ、

ダビデの子よ、わたしをあわれんでください」イエスさまのことを「ダビデの子」と呼び

かけた人が、ほかにもいます。「バルテマイという目の不自由な貧乏人が道ばたにすわって

いた。ところがナザレのイエスだと聞いて、彼は『ダビデの子イエスよ、わたしをあわれ

んでください』と叫び出した」(マルコ10:46、47)人々は、イエスさまのことをナザレ

のイエスと呼んでいました。しかし、バルテマイは「ダビデのイエスよ」と叫びつづけた

のです。同じように、カナンの女も「主よ、ダビデの子よ、わたしをあわれんでください」

とお願いしたのです。カナンの女もバルテマイも、イエスさまをキリストと信じていたか

らです。ところが、この女の切実な訴えに、イエスさまはひと言もお答えになりませんで

した。しかし、彼女は叫び続けました。そこで、弟子たちがイエスさまのそばに来て言い

ました「この女を追い払ってください」

イエスさまは言われました「わたしはイスラエルの家の失われた羊以外の者にはつかわ

されていない」イエスさまの伝道の対象は、イスラエルの家の失われた羊たちであると

言うことです。異邦人は、その対象ではないと言われたのです。ところが、カナンの女

はそれで引き下がるような人ではありませんでした。彼女はイエスさまに近寄り、主を

礼拝して言いました「主よ、わたしをお助けください」彼女は叫び求めるだけにとどま

らず、イエスさまの足もとにひれ伏して礼拝し、助けてくださいとお願いしたのです。

イエスさまは答えて言われました「子どもたちのパンを取って小犬に投げてやるのは、

よろしくない」すると、女は言いました「主よ、お言葉どおりです。でも、小犬もその

主人の食卓から落ちるパンくずは、いただきます」何という、賢い答えでしょう。また、

この女の信仰が、どれほど純粋でへりくだったものであるかがわかります。

謙遜で確信をもった祈りとは、こう言う祈りです。「わたしは小犬に過ぎません。しかし、

主よ、あわれんでください」わたしたちもこの女の信仰に見習いましょう。