2021、7、25      聖霊降臨節第10主日礼拝      牧師 川﨑善三

「十二年の年月」                       ルカ8:40~56

 イエスさまはユダヤの全地を行き巡って、福音を宣べ伝えておられました。イエスさま

は、カペナウムの対岸のゲラサ人の地で、悪霊にとりつかれていたひとりの人を癒されま

した。そして、イエスさまはカペナウムに帰ってこられました。

「イエスが帰ってこられると、群衆は喜び迎えた。みんながイエスを待ちうけていたので

ある」(ルカ8:40)イエスさまが共にいてくださると言うことが、人々の心に大きな喜びと

希望を与えるものであると言うことがよくわかります。イエスさまがゲラサびとの地に行

っておられる間のカペナウムの町は、喜びがなかったのです。しかし、イエスさまが帰っ

てこられたので、人々は喜びイエスさまをお迎えしたのです。イエスさまがカペナウムに

帰ってこられて何日もしないうちに、会堂司のヤイロという人がイエスさまの所にやって

きました。ヤイロは、イエスさまの足もとにひれ伏して、自分の家においでくださるよう

に、しきりにお願しました。会堂司と言えば、ユダヤ人の中の有力者です。そんな人が、

一市民であるイエスさまの所に来てその足元にひれ伏したのですから、尋常のことではあ

りません。会堂司は、イエスさまにお願いしました。「先生、わたしの家にお越しください」

十二歳ばかりになる、彼のひとり娘が死にかけていたのです。イエスさまは、すぐに行動

されました。ヤイロの家に向かわれたのです。イエスさまのあとには、大勢の群衆がつき

従っていました。ところが、ヤイロの家に行く途中で、イエスさまは、はたと歩みをとど

められました。実は、十二年間、長血を患っているひとりの女がイエスさまの衣のすそに

さわったところ、彼女の長血がたちまち止まり、癒されたのです。女は、この病のために

数多くの医者にかかり、自分の身代をみな使い果たしてしまっていました。彼女は最後の

望みとばかり、イエスさまの所に来たのです。そして、衣のすそにでも触ったならば、癒

されると信じて、そうしたのです。すると、たちまち長血がとまり、癒されたことをその

身に知りました。そのことをイエスさまは感じられ、歩みをとどめられたのです。イエス

さまは言われました「わたしにさわったのは、だれか」。ペテロは言いました「こんなに大

勢の人がついてきているのですから、さわったのはだれかと言われても、わかるはずがあ

りません」しかし、イエスさまは言われました「わたしにさわったのはひとりだけだ。力

がわたしから出ていくのを感じたのだ」女は隠しきれないのを知って、震えながら進み出

て、一部始終をみんなの前で話しました。イエスさまは女に言われました「娘よ、あなた

の信仰があなたを救ったのだ。安心して行きなさい」

 イエスさまがまだ話しておられるうちに、会堂司の家から人が来て「お嬢さんはなくな

られました。この上、先生を煩わすには及びません」と言いました。ヤイロはこの言葉を

聞いて目の前が真っ暗になりました。しかし、イエスさまは言われました「恐れることは

ない。ただ信じなさい。娘は助かるのだ」そして、イエスさまはヤイロの娘を生き返らせ

てくださいました。このふたりの共通する所は、十二年という年月でした。イエスさまに

お会いして、このふたりの人は新しく造りかえられたのです。