2021、9、19     聖霊降臨節第18主日礼拝      牧師 川﨑善三

「富める青年」                     マタイ19:16~30

 神さまを信じて救われたいと願う人が、自分からすすんでイエスさまの所に来ることは

そんなに多くありません。むしろ、少ないと言ってよいでしょう。ところが、ここではひ

とりの富める青年が、イエスさまの所に走り寄って来て尋ねました。「先生、永遠の生命を

得るためには、どんなよいことをしたらいいでしょうか」永遠の生命を受けると言うこと

は、神の御国に入れていただけるという事です。この青年はこの世的には何の不自由のな

い人でした。若くもありましたし、多くの資産があり、役人でもありました。これ以上、

何が必要かと思えるぐらい、この人は他の人にはないものをたくさん持っていたのです。

しかし、ただひとつ、神さまによって救われているという確信がなかったのです。彼は言

います「他にどんなよいことをしたら、永遠の命を得ることができるのでしょうか」

 良いことをする、それが天国に行ける道だと多くの人が考えています。しかし、イエス

さまは「よいかた」を、なぜ求めないのかと言われました。良い事をする自分に目を向け

るのではなく、良い方、神に目を向けるのです。イエスさまは、この青年にそのことを教

えようとされたのです。そして、彼にいましめを守っていますかと言われました。彼はど

のいましめですかと言うので、イエスさまは言われました「殺すな、姦淫するな、盗むな、

偽証を立てるな、父と母とを敬え」また「自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ」。

青年は言いました「それはみな守ってきました。ほかに何がたりないのでしょう」青年は

幼い時から律法を教えられ、そのとおりにしてきました。ところが、もうひとつ大事なこ

とがわかっていなかったのです。神を愛するということがわかっていなかったのです。青

年は神を愛することよりも自分を愛することを優先させていたのです。そして、自分の持

っている多くの資産を愛していたのです。イエスさまは彼に言われました「あなたは家に

帰ってあなたの持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つ

ようになろう。そて、わたしに従ってきなさい」この言葉を聞いて、青年は悲しみながら

立ち去っていきました。

「よく聞きなさい。富んでいる者が天国に入るのは、むずかしいものである」これは、財

産を豊かに持っている人のことだけではありません。知識や学問、地位、身分を、神さま

よりも価値があると認めて、それにより頼んでいる人は天国に入ることはできないのです。

それらのものをすべて捨てて、神を信じる者でなければ天国に入ることはできないのです。

そして、この事は自力でできるのではなく、神さまが助けて下さらなければできないこと

なのです。「人にはできない」と主は言われます。

 ペテロが言いました「ごらんなさい。わたしたちはいっさいを捨てて、あなたに従いま

した。ついては、何かいただけるでしょうか」イエスさまは彼らに言われました「わたし

の名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、もしくは畑を捨てたものは、その幾倍もを

受け、また永遠の生命を受けつぐであろう」私たちの救いには、こんな大きな報酬が備え

られているのです。