2021、11、14 降誕前第6主日礼拝 牧師 川﨑善三
「わたしは主である」 エジプト6:2~13
神さまは、アブラハム、イサク、ヤコブに約束された言葉を今まさに実行しようとして
おられました。それでは、神さまの約束とは、どういう約束だったのでしょうか。その
第一は、アブラハムとその子孫にカナンの地を与えると言う約束でした。「主はアブラム
に言われた『目をあげてあなたのいる所から北、南、東、西を見わたしなさい。すべて
あなたが見わたす地は、永久にあなたとあなたの子孫に与えます』」(創世記13:14、
15)この約束を、今まさに実行しようとして、神さまはモーセに言われたのです「あな
16)たはエジプトで奴隷としてしいたげられているイスラエルの人々を導き出して、カ
17)ナンの地に連れて行きなさい」。神さまは言われます、エジプトにいるイスラエルの
18)人々は、神の助けを得てその国から出て来るであろうと。この約束は、すでにアブ
19)ラハムに約束されていました。「あなたの子孫は他の国に旅びととなって、その人々
20)に仕え、その人々は彼らを四百年の間、悩ますでしょう。」(創世記15:13、14)
21)神さまがこの言葉を語られた時、イスラエルの人々が、どこの国で旅人となって、
22)しいたげられるかはお知らせになりませんでした。しかし、アブラハムのひ孫にあ
23)たるヨセフが、エジプトに奴隷として売られていった時に、その国がエジプトであ
24)ることが明らかになっていきました。
神さまの言われたとおりに、歴史は織りなされていきます。しかし、その時代に生きて
いる人々にとっては、わからないことばかりです。「わたしのしていることは今あなたに
はわからないが、あとでわかるようになるだろう」(ヨハネ13:7)と、イエスさまは言わ
れましたが、後の人々が、神さまのお言葉を覚えていて、これだ、神さまの言われたと
おりになったと言える人は、ひとりもいません。いずれにしても、神は真実であり、約
束されたことを必ず成就してくださる御方であると言うことです。
「わたしは主である。わたしはアブラハム、イサク、ヤコブには全能の神として現れた
たが、主という名では、自分を彼らに知らせなかった」(出エジプト6:2、3)神さまには、
お名前があります。昔はエホバと名ではないかと言われていましたが、研究が進み、今
ではヤーウェというお名前ではないかと言われています。しかし、ユダヤ人は「わたし
の名をみだりに唱えてはならない」と言う十戒の第三戒を守って、神様のお名前の所に
来るとアドナイ(主)と言い換えるようにしました。そこから、神さまのお名前がわからな
くなっていきました。
「わたしは主である」(3節)神さまは、このお言葉を四回用いておられます。「わたしは
アブラハム、イサク、ヤコブに手を挙げて誓ったその地にあなたがたをはいらせ、それ
を所有として与えるであろう。わたしは主である」(8節)この御方は「全能の神」であり、
天地万物を造られた創造主であり、わたしたちも主によって造られたものとして、生か
されているのです。この御方以外に、わたしたちを救いだして下さる方はいらっしゃい
ません。「わたしは主である」と言われる神が、わたしたちに何を語りかけておられるか、
耳をすまして聞きましょう。
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