2022、1、9               降誕節第3主日礼拝       牧師 川﨑善三

「イエスの洗礼」                     マタイ3:13~17

十二歳の時の出来事以来、イエスさまは、ナザレで父ヨセフと母マリヤのもとで成長

してゆかれました。「イエスはますます知恵が加わり、背たけも伸び、そして、神と人

から愛された」(ルカ2:52)とあります。

イエスさまは、ヨルダン川でバプテスマを授けていたヨハネのもとに来られました。

「そのときイエスは、ガリラヤを出てヨルダン川に現れ、ヨハネのところにきて、バ

プテスマを受けようとされた」(マタイ3:1)イエスさまが、ヨハネのもとに来られた

目的は、彼からバプテスマを受けるためでした。ヨハネは、すでにイエスさまがキリ

ストであると信じていましたので、大変、驚きました。そして、こう言ったのです。

「わたしこそ、あなたからバプテスマ受けるはずですのに、あなたがわたしのところ

においでになるのですか」ヨハネとイエスさまの立場を考えれば、ヨハネの言うとお

りです。わたしたちの罪をあがない、ゆるして下さる御方がバプテスマを受ける必要

性はありません。イエスさまは、いと高き神の子であり、罪のない御方でした。しか

し、その事は人の目には隠されていました。しかし、ヨハネはそのことが分かってい

たので、そう言ったのです。「わたしこそ、あなたからバプテスマを受けるはずですの

に」イエスさまは答えて言われました「今は受けさせてもらいたい。このように、す

て正しいことを成就するのは、われわれにふさわしいことである」わたしたち人間は、

すべて罪を持って生まれてきました。アダム以来、罪の遺伝子がわたしたちのうち

に流れ続けているのです。しかし、イエスさまは聖霊によって、おとめマリヤのうち

に宿り、お生まれになりました。罪のない御方であります。しかし、人はそのことを

知りません。そこで、イエスさまは、わたしたちと変わらぬ罪人の位置までへりくだ

って、バプテスマを受けさせて下さいと言われたのです。ヨハネは、イエスさまの言

われたことを理解しました。そこで、イエスさまの言われたとおりにしました。「キリ

ストは、神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべき事とは思わず、

かえって、おのれをむなしうして、僕のかたちをとり、人間の姿になられた」(ピリピ

2:6、7)神の子イエスは、人間となって下さったのです。それは、わたしたち救う

ためです。

イエスさまはヨハネからバプテスマを受け、水から上がって祈っておられました。す

ると、天が開け、ご聖霊がはとの姿をとって、イエスさまの上に下ってこられました。

そして、天から声がありました。「これはわたしの愛する子、わたしのこころにかなう

者である」イエスさまが十二歳のとき、神さまのことをわたしの父といわれましたが、

ここで、神さまはイエスさまのことを、わたしの愛する子と言われたのです。この言

葉が、イエスさまにとって、どれほど力ある言葉であったかは、そのご生涯を見れば、

わかります。だれひとり、イエスさまを助けようとする者がいないなかで、神さまの

このお言葉はイエスさまにとって、大きな励ましであり力でありました。

わたしたちも、神の子とされてると言う信仰によって、患難に打ち勝つことができるのです。