2022、2、20       降誕節第9主日礼拝       牧師 川﨑善三          

「癒し主キリスト」                     マルコ2:1~17

 イエスさまの神の国の福音が、ガリラヤ地方全体に宣べ伝えられ、病の癒しが行われたことによって、その評判が多くの人々に広がっていきました。そこで、イエスさまの所に来る人が多くなり、家におられると聞いて、人々が集まり戸口のあたりまですきまがないほどになりました。そんな、ある日のこと、ひとりの中風の者を四人の人に運ばせて、イエスさまの所にやってきた人々がいました。中風という病は、体の半身が不自由になる病です。原因は脳または脊髄の出血、炎症などによって起こる病気です。この人は中風になってから、長い間、体を動かすことができない状態で毎日を過ごしていました。家族もまわりの人も、みんなでこの人の世話をして支えていました。しかし、この人を支える人々は、この人を何とかして助けたい、その病の癒されるひとを考えていました。そんな彼らに朗報がもたらされたのです。イエスさまが病人を癒して下さるそうだという評判を耳にしたのです。彼らは早速、イエスさまがおられる所に行き、その家の屋根をはぎ、穴をあけて中風の者を寝かせたまま、床をつりおろしました。イエスさまは、この人の罪をゆるしその病を癒して下さいました。

 また、イエスさまは海べに出ていき、大勢の人々に教えを宣べ伝えられました。そして、お話が終って家に帰られる途中で収税所の前を通りかかりました。すると、アルパヨの子レビが収税所にすわっているのをご覧になり、彼に声をかけて言われました「わたしに従ってきなさい」わたしの弟子となり、これからはわたしの所に来なさいと言われたのです。レビは、すぐに立ち上がりイエスさまに従いました。取税人は、パリサイ人から、また一般の人々からも忌み嫌われていました。エリコの町のザアカイは、取税人のかしらでしたが、ひとりも友達のいない、寂しい人でした。しかし、ザアカイさんもイエスさまを信じるようになり、また、アルパヨの子レビさんもイエスさまにお従いしたのです。レビは、自分の家で食事の席をもうけ、イエスさまと弟子たちを招きました。多くの取税人や罪人たちも招きました。すると、バリサイ派の律法主義者たちが、弟子たちに言いました「なぜ、あなたがたの先生は、取税人や罪人たちと共に食事をするのか」イエスさまはこれを聞いて言われました「丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招くためにきたのである。」イエスさまの所に来て、救われる人とはどういう人かと言うことです。自分はきよく正しい人間だと思っている人は、イエスさまの所に来てもイエスさまを信じようと言う気にはならないということです。ですから、パリサイ主義の律法学者や、レビびと、祭司たちはイエスさまの福音を必要としなかったのです。アルパヨの子レビが、イエスさまの招きに、すぐにお従いした理由が、少しわかった気がします。彼は自分が罪人であると認めていたのです。「だれでもかわく者は、わたしのところきて飲むがよい」(ヨハネ7:37)イエス・キリストに救いがあります。罪のゆるしがあります。罪を認めて、エスさまを信じましょう。