2022、5、1       復活節第3主日礼拝       牧師 川﨑善三

「まことの羊飼」                    ヨハネ10:7-18

人間と羊の関係は、非常に古い時代から始まります。聖書ではアダムの子アベルが羊を飼っていました。羊はわたしたちに様々なものを提供してくれます。その毛はわたしたちの衣服となったり天幕の材料となったりします。また、肉は人間の食用となりました。すなわち、羊はわたしたちの衣食住を支える生き物であったということです。

ダビデは羊を飼っていました。「まだ末の子が残っていますが、彼は羊を飼っています」(サムエル上16:11)ベツレヘムびとエッサイに八人の子がいました。神さまは、預言者サムエルに言われました。「わたしは、ベツレヘムびとエッサイの子たちのうちに次の王となる人を見つけました」預言者サムエルは、神さまからこう言われました。あなたはベツレヘムに行き、エッサイの子のうち、わたしが選んだ人に油を注ぎなさい。預言者サムエルはベツレヘムに行き、エッサイにあなたの子たちをわたしの所に連れてくるようにと言いました。エッサイは、子どもたちをサムエルの所に連れてきました。サムエルは長男エリアブを見て「この人こそ、主が油そそがれる人だ」と思いました。しかし、主なる神はサムエルに言われました「顔かたちや身のたけを見てはいけない。わたしはすでにその人を捨てた。わたしが見るところは人とは異なる。人は外の顔かたちを見、主は心を見る」次の子アビナダブも、シャンマも違っていました。七人の息子たちの中に、神さまが選ばれた人はいなかったのです。サムエルは、エッサイに言いました「この人たちで、みんなですか。ほかに、あなたの息子は残っていませんか」エッサイは言います「まだ、末の子が残っています。彼は羊を飼っています」イスラエルの王として、神から選ばれたダビデは、羊を飼う人でした。ダビデは羊飼いをしていた経験から詩篇23編を残してくれています。「主はわたしの牧者であって、わたしには乏しいことがない。主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる」

最後に、イエスさまの誕生を一番最初に知ったのも、羊飼でした。

イエスさまは、こう言われました「わたしはよい羊飼である。よい羊飼は、羊のために命を捨てる」(ヨハネ10:11)羊飼の仕事は、過酷な仕事でした。夜、昼の区別がありません。盆も正月もありません。一年中、休むことなく働かねばなりません。イエスさまは、わたしたちの羊飼です。わたしたちのために夜となく昼となく働き、すべての良いものをもって、わたしたちを支え、養って下さいます。雇われた羊飼は、おおかみがくるのを見ると、羊を捨てて逃げてしまいます。しかし、イエスさまはおおかみと戦って羊を守って下さいます。イエスさまは、わたしたちをも、ご自分の羊として守って下さるのです。