2022、5、22      復活節第6主日礼拝       牧師 川﨑善三

「父のみもとに行く」                 ヨハネ16:12~28

イエスさまには、弟子たちに教えておきたい真理がたくさんありました。しかし、それらのことを彼らに伝えるには、時間があまり残されていませんでした。それで、こう言われました「わたしには、あなたがたに言うべきことがまだ多くあるが、あなたがたは今はそれに堪えられない。けれども真理の御霊が来る時には、あなたがたをあらゆる真理に導いてくれるであろう」(ヨハネ16:12、13)イエスさまが復活されて、父のみもとに帰られたあと、ご聖霊がわたしたちの所にお降りになる、そうすれば、ご聖霊があらゆる真理に導いてくださるであろうと、イエスさまは言われました。また、言われました「しばらくすれば、あなたがたはもうわたしを見なくなる。また、しばらくすれば、わたしに会えるであろう」(ヨハネ16:16)この時、イエスさまは、しばらくの間、わたしはあなたがたと別れなければなりませんと言われました。それは「わたしが父のところへ行く」からであると言うことです。弟子たちは、イエスさまのこの言葉の意味がわかりませんでした。イエスさまが子なる神であり、父なる神のもとを出て、この世に来て下さったということが、弟子たちにはわからなかったのです。イエスさまは、この世界が創造される前から存在しておられました。「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は初めに神と共にあった。すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった」(ヨハネ1:1~3)ここで言う「初め」とは創世記の一章の「初め」と同じことばです。「はじめに神は天と地とを創造された」(創世記1:1)この天と地がつくられた「はじめ」の時のことです。その時、すでに言があり、この言と共に、神さまはすべてのものを創造されたのです。そして、この言はイエス・キリストのことを指しています。神さまは、子なる神イエス・キリストと共に、すべてのものを創造されたのです。「わたしは、そのかたわらにあって、名匠となり、日々に喜び、常にその前に楽しみ、その地で楽しみ、また世の人を喜んだ」(箴言8:30、31)父なる神と子なる神イエス・キリストが、天地万物を造られた時、それらのものははなはだ良かったのです。それらのものの出来栄えが良かったので喜び、喜ばれたと言うのです。これらのお言葉からわかることは、イエスさまは創造のみわざに参与されて、父なる神と共に天地万物を造られたということです。そして、父なる神と共におられたキリストは、私たちを救うために地上に来られました。そして、十字架の出来事を通して私たちを救ってくださったのです。そして、言われたのです。「わたしは父から出てこの世にきたが、また、この世を去って父のみもとに行くのである」わたしたちも、イエスさまのあとに続いて、父なる神のみもとに帰っていきましょう。