2022、6、5      聖霊降臨節第1主日礼拝       牧師 川﨑善三

「父の約束」                      使徒行伝1:1~14

 イエスさまは十字架にかかり、死なれました。その御体は、アリマタヤのヨセフが自分のために作っていた、まだ誰も入ったことのない新しい墓の中に納められました。そして、三日目の朝、イエスさまはよみがえられたのです。マグダラのマリヤ、ペテロ、11人の弟子、そしてエマオという村へ行こうとしていたクレオパと、もうひとりの弟子に、イエスは現れ、よみがえられたということを証しされました。

イエスさまはよみがえられてから、40日にわたってたびたび弟子たちに現れて、ご自身がよみがえられたという事を彼らに示し、神の国のことをお話になりました。そして、食事をしているとき、彼らに命じて言われました「エルサレムから離れないで、かねてわたしから聞いていた父の約束を待っているがよい。すなわち、ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう」ご聖霊が、まだお降りになっていなかったのです。イエスさまは、父のみもとに上げられたならば、ご聖霊を父にお願いして、あなたがたの所に遣わすであろうと言われたのです。「わたしが父のみもとから、あなたがたにつかわそうとしている助け主、すなわち、父のみもとから来る真理の御霊が下る時、それはわたしについてあかしをするであろう」(ヨハネ15:26)イエスさまは天に上げられる前に、こう言われたのです。わたしは父のみもとに行く、そうすれば、ご聖霊があなたがたにお降りになる。「エルサレムから離れないで、かねてわたしから聞いていた父の約束を待っているがよい」これが、イエスさまが語られた最後のご命令でありました。

弟子たちは、この言葉を理解していたのではありません。それで、彼らはこんな質問をしました。「主よ、イスラエルのために国を復興なさるのは、この時なのですか」弟子たちにとって、一番の関心事は、イスラエルが国として復興することでした。国が復興するとは、ダビデ王、ソロモン王の時代のようになることでした。その時、イスラエルは世界の頂点に位置する国として栄えていたのです。彼らは、ご聖霊がお降りくださると、国が復興されるのではないかと期待したのです。しかし、イエスさまは弟子たちに言われました「時期や場合は、父がご自分の権威によって定めておられるのであって、あなたがたの知るかぎりではない。ただ聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう」イエスさまが、この言葉を述べられたあと、雲がイエスさまのまわりに立ちこめ、弟子たちの見ている前で、イエスさまの御体がどんどん天に上げられ、やがては見えなくなりました。イエスさまのご昇天であります。弟子たちは唖然として見ていました。すると、白い衣を着たふたりの人が、彼らのそばに立ち、言いました「ガリラヤの人たちよ、なぜ天を仰いで立っているのか、あなたがたを離れて天にあげられたこのイエスは、天に上って行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになるであろう」そして、この10日後に、ご聖霊が弟子たちの上にお降りくださったのです。