2022、6、26          聖霊降臨節第4主日礼拝      牧師 川﨑善三

「悪霊追放」                    使徒行伝16:11~24

 ペンテコステの日に生まれたエルサレム教会は、最初順調な滑り出しを見ることができました。しかし、その順調さは長くは続きませんでした。やがて、大きな嵐がやってきました。エルサレム教会の執事として選ばれたステパノが、ユダヤ人の長老や律法学者に捕えられ、議会で裁判にかけられたのです。長老たちは、偽りの証人を立たせて言いました「この人は、この聖所と律法とに逆らう言葉を吐いて、やめようとはしません。『あのナザレ人イエスは、この聖所を打ちこわし、モーセがわたしたちに伝えた慣例を変えてしまうであろう』と言っています」これに答えて、ステパノは聖書の歴史をひもとき語ります。アブラハムから始めて、ヨセフの事、そして、モーセによる出エジプトの話をし、ダビデの時代の話にまで及びます。そして、ステパノは、あなたがたはいつまで聖霊にさからっているのかと彼らをきびしく非難しました。それを聞いた人々は激しく怒り、ステパノにむかって、歯ぎしりをして殺到し、彼を町の外に引っぱって行って、石を投げつけて殺してしまいました。その日、エルサレム教会に対する大迫害が起り、人々はユダヤとサマリヤの地方に散らされていきました。イエスさまは、天に上げられる前に言われました「聖霊があなたがたにくだる時、あなたかだは力をうけて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう」この言葉が、エルサレム教会への迫害によって成就することになりました。イエス・キリストの福音は、エルサレムから始まり、ユダヤ、サマリヤ地方へと広がっていくことになりました。そして、そのような広がりの中で、サウロ、すなわちパウロが復活の主に出会って、回心することになるのです。

「サウロ、サウロ、なぜ、わたしを迫害するのか」「主よ、あなたは、どなたですか」「わたしは、あなたが迫害しているイエスである」(使徒行伝9:4、5)復活の主はパウロにご自身を現わしてくださり、わたしがキリストであると彼に示して下さったのです。

 パウロはシラスと共に、世界伝道に出かけます。ピリピの町で伝道していた時のことです。パウロは、この町に数日間滞在して、伝道の機会が与えられるのを待ち望んでいました。すると、そのチャンスがやってきました。ある安息日に、町の門を出て祈り場を捜しました。そして、川のほとりに行くと、何人かの婦人たちがそこにいました。そこで、ふたりは婦人たちに話をしました。すると、主によって心開かれたルデヤという婦人が、パウロの話に興味を持ちました。ルデヤは、ふたりを家に迎えて、彼女もその家族もみんなバプテスマを受けました。そして、ルデヤの積極的な懇願によって、ふたりはルデヤの家を拠点として、ピリピの町の伝道をすることになりました。

ある時、占いの霊につかれた女奴隷に出会いました。この女は、パウロたちに出会うと叫び始めました「この人たちに、いと高き神の僕たちで、あなたがたに救いの道を伝えるかただ」パウロは、その霊にむかって言いました「イエス・キリストの名によって命じる。その女から出て行け」すると、その瞬間、霊が女から出ていきました。神さまがひとりの人を助けてくださったのです。