2022、7、17         聖霊降臨節第7主日礼拝       牧師 川﨑善三

「パン種に注意」                     マルコ8:11~21

 ツロ・フェニキヤで、イエスさまは信仰深い女性と出会い、大変喜ばれ、関心された事件がありました。けがれた霊につかれた幼い娘のお母さんが、イエスさまのことを聞いてやってきて、その足もとにひれ伏してお願いしました。「どうか、わたしの娘から悪霊を追い出してください」イエスさまは、女に言われました「まず子供たちに十分食べさすべきである。子供たちのパンを取って小犬に投げてやるのは、よろしくない」食事の途中で、子供たちに与えるパンを、小犬に投げてやるようなことはしないと言われたのです。福音は、ユダヤ人に宣べ伝えられて、それから異邦人に伝えられると言うことを、イエスさまは言われたのです。すると、この女は言いました「主よ、お言葉どおりです。でも、食卓の下の小犬も、子供たちのパンくずは、いただきます」子供たちがパンを食べる、その時パンくずがテーブルの下に落ちたならば、そのパンくずを小犬はいただけるではありませんかと、女は言ったのです。イエスさまは大変喜ばれました。「その言葉で、じゅうぶんである。お帰りなさい。悪霊は娘から出てしまった」女が、家に帰ってみると、娘はすやすやと床の上で寝ていました。悪霊は出てしまっていたのです。

 それから、イエスさまはガリラヤの海べに来られました。そして、耳が聞こえず、口のきけない人を癒されました。イエスさまのそのような数々のしるしを見て、大勢の群衆が集まってきました。みんなが、熱心にイエスさまの話を聞いていました。イエスさまは弟子たちを呼び寄せて言われました「この群衆がかわいそうである。もう三日間もわたし一緒にいるのに、何も食べるものがない。もし、彼らを空腹のまま家に帰らせるなら、途中で弱り切ってしまうであろう。それに、なかには遠くからきている者もある」イエスさまは、群衆のことを心配しておられます。もう三日も前から、イエスさまと一緒にいる人々もいると言うのです。それほど熱心に神のことばを求める人々がいるということは、イエスさまにとってどんなに大きな喜びだったことでしょうか。イエスさまは、七つのパンと少しばかりの魚でもって、四千人の人々を食べさせ、満腹にして下さいました。それから、イエスさまは舟に乗って、ダルマヌタ地方に行かれました。イエスさま舟の中で、こう言われました「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とを、よくよく警戒せよ」パリサイ人のパン種とは、宗教的熱心による偽善と、不真実のことです。パリサイ人は律法を守ることに熱心でした。そして、律法を守る自分たちは、義人であり、他の人々は罪人であると、人をさげすんでいました。イエスさまは、彼らのようになってはいけないと言われたのです。わたしたちは、律法によって救われることはできません。信仰によって救われるのです。パリサイ人のように、自己免許で自分は義人だと思ってはならないと言われたのです。ヘロデのパン種に警戒せよとは、世俗主義に陥らないようにと言うことです。わたしたちがこの世で生きていくためには、いろいろな誘惑に勝っていかなければなりません。そのためには、パリサイ人のパン種とヘロデのパン種に注意してまいりましょう。