2022、7、24         聖霊降臨節第8主日礼拝       牧師 川﨑善三

「神からの真理」                     マルコ8:22~30

 イエスさまの奇跡は、いろいろな人の病を癒して下さるという場合が、聖書にたくさん出てまいります。足の不自由な人が癒されて、しっかりと自分の足で歩けるようになったり、また、重い皮膚病の人が癒されたということもありました。中でも、目の見えない人の目が見えるようになったという奇跡は、三回、新約聖書に出てまいります。

 ベツサイダという村に、イエスさまが行かれたとき、人々がひとりの目の見えない人連れてきてその人の目が見えるようになった事、それからエルサレムで目の見えない人が道ばたにすわって、物乞いをしているのを見たイエスさまがシロアムの池に行って目を洗いなさいと言われ、そのようにした所、その人の目が見えるようになったという出来事、それからエリコの町の郊外でバルテマイという人の目が見えるようになった事、この三つであります。目の見えない人が見えるようになった時、その人の喜びはどんなであったかと、いつも想像してしまいます。その人は、その生涯において、ずっとその喜びを持ち続け、イエスさまを信じる信仰の道を歩き続けて、天国に帰っていったと思われます。

 それでは、旧約聖書に目の見えない人が見えるようになったという奇跡が出てくるでしょうか。ひとつの出来事が記されています。目の見えている人が、肉体の目では見ることのできない世界が見えるようになったという出来事です。           「そしてエリシャが祈って『主よ、どうぞ、彼の目を開いて見させてください』と言うと、主はその若者の目を開かれたので、彼が見ると、火の馬と火の戦車が山に満ちてエリシャまわりにあった」(列王紀下6:17)預言者エリシャの時代のことです。その頃、イスラエルはスリヤの王と戦っていました。スリヤの王は、「しかじかの所に陣をしいてイスラエルを待ち伏せし、戦い破ろう」と家来たちに言いました。すると、預言者エリシャは、その事をイスラエルの王に知らせました。「スリヤの王はこの所に陣をしいて、あなたを待ち伏せしています。あなたは用心してその所に行ってはなりません」イスラエルの王は預言者の言うことを聞き、警戒したので、みずからを防ぎえたことは一、二回にとどまりませんでした。スリヤの王は家来に言いました「われわれのうち、だれがイスラエルの王と通じているのか、わたしに告げる者はないか」スリヤの王は、スパイがいると思ったのです。ところが、ひとりの家来が言いました「王さま、だれも通じている者はいません。ただイスラエルの預言者エリシャが、あなたが寝室で語られる言葉でもイスラエルの王に告げるのです。スリヤの王は言いました「エリシャはどこにいるのか。彼を捕えよう」時に「彼はドタンにいる」と王に告げる者があったので、王はそこに馬と戦車および大軍をつかわして、その町を取り囲みました。あくる朝、エリシャの召使の若者が、その大軍を見て言いました「ああ、わが主よ、わたしたちはどうしましょうか」エリシャは言いました「恐れることはない。われわれと共にいる者は彼らと共にいる者よりも多いのだから」そして、天の軍勢がエリシャのまわりにあって、守っていてくれる有様を見せてもらえたのです。預言者エリシャには見えていたのです。しかし、召使の若者には見えていなかったのです。わたしたちも、霊の世界の天の軍勢を見させていただきましょう。