2022、8、28     聖霊降臨節第13主日礼拝      牧師 川﨑善三

 イエスさまは、何のために私たちの所に来てくださったかという事を、たびたびお話になりました。

「イエスはまた海べに出て行かれると、多くの人々がみもとに集まってきたので、彼らを教えられた。また途中で、アルパヨの子レビが収税所にすわっているのをごらんになって、『わたしに従ってきなさい』と言われた。すると彼は立ちあがって、イエスに従った」(マルコ2:13、14)イエスさまが、カペナウムに帰られた時、人々はイエスさまのことを聞き、そのいらっしゃる所に殺到して集まってきました。イエスさまが海べに出ていかれたと聞くと、そこへ集まってきたので、イエスさまはそこでまた、神の国のお話をしてくださいました。その途中で、ひとりの人が救われました。アルパヨの子レビ、マタイ福音書を書いたマタイさんのことです。イエスさまは、マタイが収税所にすわっているのを見て、声をかけ「わたしに従ってきなさい」と言われました。すると、マタイはすぐに立ちあがって、イエスさまにお従いしました。

マタイは、それまでにイエスさまのうわさを聞いていたのでしょう。エリコの町のザアカイのように会ってみたい、お話してみたいと言う願いを持っていたのでしょう。そのイエスさまから、直接、「わたしに従ってきなさい」と言われたので、喜んで立ち上がり、イエスさまにお従いしました。そして、マタイは家を開放して感謝会をしたのです。すると、大勢の取税人や罪人たちが、マタイさんの家に集まってきました。イエスさまは、すべての人をご自分のもとに招いておられます。父なる神が、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも正しくない者にも、雨を降らせてくださるように、イエスさまは取税人も罪人も、パリサイ派の律法学者たちも、ご自身のみもとに集まってくる人々を拒むということをなさいませんでした。ところが、パリサイ人たちはこれを見てイエスさまの弟子たちに、こう言ったのです「なぜ、彼は取税人や罪人などと食事を共にするのか」イエスさまは、これを聞いて言われました「丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは義人を招くためではなく、罪人を招くためである」イエスさまが、この地上にお越しになられたのはこの事のためでした。罪人を招いてその罪をゆるして下さるために、イエスさまは来られたのです。

「さて、ゼベダイの子ヤコブとヨハネがイエスのもとにきて言った「先生、わたしたちがお頼みすることは、なんでもかなえてくださるようにお願いします」

イエスさまは、この時エルサレムへ上る途上にありました。いよいよ、十字架の時が近づいていました。そんな時に、弟子たちは別のことに関心がありました。イエスさまが、王さまになられたら、その右と左にすわらせてくださいとお願いしたのです。イエスさまは言われました「人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるためであり、また多くの人のあがないとして、自分の命を与えるためである」イエスさまが、わたしたちの所に来て下さったのは、あなたがたのために仕えるために来たのですと言われるのです。わたしたちも仕える人になりましょう。