2022、9、11     聖霊降臨節第15主日礼拝      牧師 川﨑善三
「はるかに大事なこと」       マルコ12:28-40

 イエスさまの所には、いろいろな人がやってきました。ガリラヤ地方で宣教を開始された時には、その地方の人々がイエスさまのお話を聞こうとして集ってきました。五千人、ある時は四千人の群衆が集ってきました。また、職業的にも社会的にも、いろいろな人がいました。サマリヤ人がいたり、取税人や遊女たちもいました。病人も、イエスさまの所にやってきてその病を癒していただきました。

今日は、サドカイ人に呼ばれる人たちと、ひとりの律法学者が訪ねてきたときのことをお話します。復活ということはないと主張するサドカイ人たちが、イエスさまのもとにきて質問しました。この人たちは、ソロモン王の時代から神の宮でつかえる人々で、祭司ザドクの子孫であり、現世主義者であり、政治的には国の指導者的な人々でありました。したがって、彼らはメシヤの来ることを期待せず、復活を信じていませんでした。また、彼らは天使も、永遠の命もしんじない人々でありました。そんな彼らが、復活についての質問をしたのです。

彼らは言いました「先生、モーセは、わたしたちのためにこう書いてあります。『もし、ある人の兄が死んで、その残された妻に、子がない場合には、弟はこの女をめとって、兄のために子をもうけなければならない』」 家系を絶やすことがないようにと配慮のもとに定められた戒めでありまた。サドカイ人たちは、この戒めをたてにとってひとつの仮定についてイエスさまに質問したのです。ここに七人の兄弟がいました。長男は妻をめとりましたが、子がなくて死に、次男がその女をめとって、また子をもうけずに死に、三男も同様でした。こうして、七人ともみな子孫を残しませんでした。最後にその女も死にました。彼らが皆よみがえった場合、この女はだれの妻なのでしょうか。イエスさまは言われました「彼らが死人の中からよみがえるときには、めとったり、とついだりすることはない。彼らは天にいる御使のようなものである」天国とはどういう世界であるかの一端を垣間見ることのできる、イエスさまのお言葉です。復活の後の私たちは、天使のような存在になるということです。

次に、ひとりの律法学者がきて質問さました「すべてのいましめの中で、どれが第一ですか」イエスさまは答えられました「第一のいましめはこれである。『イスラエルよ、聞け。主なるわたしたちの神は、ただひとりである。心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして主なるあなたの神を愛せよ』第二はこれである『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』これより大事な戒めは、ほかにない」律法学者はイエスさまに言いました「先生、仰せのとおりです。『神はひとりであってそのほかに神はない』と言われたのは、本当です。また、『心をつくし、知恵をつくし、力をつくして、神を愛し、また自分を愛するように隣り人を愛する』ということは、すべての燔祭や犠牲よりも、はるかに大事なことです」神さまへの捧げものよりも、人を愛することは、はるかに大事なことです。このことをしっかり、心にとめておきましょう