2022、9、18      聖霊降臨節第16主日礼拝       牧師 川﨑善三                    「最後まで耐え忍ぶ者」                 マタイ13:1~13

 イエスさまが十字架にかかられる日が、刻一刻と近づいていました。マルコ13章は受難週の火曜日できごとです。

 イエスさまと弟子たちが宮から出ていこうとしておられた時、弟子のひとりがイエスさまに言いました「先生、ごらんください。なんという見事な石、なんというりっぱな建物でしょう」神の宮は、これまで三回建築されています。その始めはソロモン王の時代です。ソロモンが建てた神の宮は、純金張りの光輝く神の宮でした。しかし、この神の宮はバビロンのネブカデエザル王によって破壊され、跡かたもなく、なくなってしまいました。そして、七十年後にバビロン捕囚から解放された人々によって、第二神殿と呼ばれる神の宮が建設されます。そして、イエスさまの時代の神の宮は、三度目の神殿になるわけです。この神殿は、紀元前二十年頃に、ヘロデ大王によって建てられ、四十六年の長きにわたって建築され、ようやく完成しました。この宮もソロモンの時代の神殿に劣らない、りっぱなものでした。                              しかし、イエスさまは言われました「あなたは、これらの大きな建物をながめているのか。その石一つでもくずされないままで、他の石の上に残ることもなくなるであろう」

イエスさまは、やがて神の宮が破壊され、石のひとつも他の石の上に残らないという時が来ることを知っておられたのです。

 さて、イエスさまと弟子たちはオリブ山に行きました。宮にむかってすわっておられると、ペテロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレが、ひそかにお尋ねしました。「先生、いつ、そんなことが起るのでしょうか。またそんなことがことごとく成就する場合には、どんな前兆がありますか」弟子たちは恐ろしかったのです。今すぐにでも、そんなことが起るのではないかと思ったのです。

「そこで、イエスは話しはじめられた『人に惑わされないように気をつけなさい。多くの者がわたしの名を名のって現れ、自分がそれだと言って、多くの人を惑わすであろう。また、戦争と戦争のうわさとを聞くときも、あわてるな。それは起らねばならないが、まだ終わりではない』」世の中が、いろいろな情報によって混乱すると言うのです。また、わたしたちの心を不安にさせる戦争が起こります。「またあちこちに地震があり、またききんが起こるであろう。これらは産みの苦しみの初めである」いろいろな紛争が、世界中のいたるところで勃発し、地震やききんがあると言うのです。それから、クリスチャンに対する迫害が起ると言われたのです。「あなたがたは自分で気をつけていなさい。あなたがたは、わたしのために衆議所に引き渡され、会堂で打たれ、長官たちや王たちの前に立たされ、彼らに対してあかしをさせられるであろう」(マルコ13:9)イエスさまは、あなたがたが迫害される時が来ると言われました。弟子たちは、そんな事があるだろうかと思ったことでしょう。

今、わたしたちも迫害されているわけではありません。しかし、いつこの平穏が破られ、迫害されるようになるか、わかりません。「また、あなたがたはわたしの名のゆえに、すべての人に憎まれるであろう。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる」

最後まで耐え忍ぶ者になりましょう。