2022、9、25    聖霊降臨節第17主日礼拝      牧師 川﨑善三  

「この女のした事」                    マルコ14:1~11

 受難週の四日目、すなわち水曜日のことです。

祭司長たちや律法学者たちは集まって、イエスさまを殺そうという計画を立て、どうしたらよいかを話し合いました。彼らは言いました「祭の間はいけない。民衆が騒ぎを起こすかも知れない」過越の祭には、全世界から多くの参拝者がエルサレムに集っていました。その中には、イエスさまのことをよく知っているガリラヤ地方の人々も、たくさん来ていました。そうした人々の前で、イエスさまを捕えたならば大騒ぎになり、暴動になるかも知れないと思ったからです。ところが、彼らにとって思わぬ事が起ったのです。                                                                       「ときに、十二弟子のひとりイスカリオテのユダは、イエスを祭司長たちに引きわたそうとして、彼らの所に行った」(マルコ14:10)祭司長たちは、これを聞いて喜び、金を与えることを約束しました。そこで、ユダはどうかしてイエスを引き渡そうと機会をねらっていました。祭司長たちはイエスを殺すのは、この時をおいて他にないと思いました。

さて、イエスさまと弟子たちは水曜日のこと、ベタニヤ村のシモンの家に招待されていました。食卓についておられたとき、一人の女がイエスさまのそばに来て、高価で純粋なナルドの香油のつぼをこわし、イエスさまの頭に注ぎかけました。この女性が誰であったかが、ヨハネ12章に明らかにされています。「その時、マリヤは高価で純粋なナルドの香油一斤を持ってきて、イエスの足にぬり、この自分の髪の毛でふいた。すると、香油のかおりが家にいっぱいになった」(ヨハネ12:3)ベタニヤ村のマリヤが、このとこをしたのです。マリヤは力いっぱいの捧げものを、主にささげたのです。高価で純粋な香油は、マリヤの持っている者の中で、一番大切なものでした。それをイエスとさまに注ぎかけたのです。すると、すでにイエスさまを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが言いました「なぜ、この香油を三百デナリ以上にでも売って、貧しい人々に施さなかったのか」ユダは、そのような高価なものを、どうして無駄にするのかと言ったのです。それは、ユダが財布を預かっていて、その中身をごまかしていたからです。ユダは、そのお金を自分のふところに入れようとしていたのです。一番、大事なものを捧げる人と、神のものを自分のものとしようとする人のいることを、わたしたちは教えられます。イエスさまは言われました「なぜ女を困らせるのか。わたしによい事をしてくれたのだ。よく聞きなさい。全世界のどこででも、福音の宣べ伝えられる所では、この女のした事も記念として語られるであろう」(マルコ14:9)

21世紀の今日も、マリヤのした事は教会で語られています。これから先に語り続けられていくことでしょう。わたしたちも、まごころこめて、主によきものをお捧げいたしましょう。