2022、11、27      降誕節第1主日礼拝       牧師 川﨑善三

「その名はインマヌエル」                  イザヤ7:1~17

 ダビデの王国は、長く続きませんでした。ダビデの孫レハベアムの時代に、国は北と南に分裂してしまいました。そして、南ユダ王国の10代目の王ウジヤの時代に、預言者イザヤが出てきて国を導いてくれました。イザヤ7章は、ウジヤ王の孫にあたるアハズ王の時代の出来事です。南ユダ王国は、ひとつの風評によって動揺していました。「時に、『スリヤがエフライムと同盟している』とダビデの家に告げる者があったので、王の心と民の心とは風に動かされる林の木のように動揺した」(イザヤ7:2)北イスラエル王国がスリヤと同盟して攻めて来るという噂が伝えられました。ユダの王アハズとその国民は、風に動かされる林のように動揺しました。その時、主はイザヤに言われたのです。

「今、あなたはエルサレムの大路の上の池の水道の端でアハズ王に会い、彼に言いなさい『気をつけて、静かにし、恐れてはならない。スリヤの王レヂンとイスラエルの王ペカが激しく怒っても、これら二つの燃え残りのくすぶっている切り株のゆえに心を弱くしてはならない』」ふたりの王は言うだろう「われわれはユダに攻め上り、これを脅かし、それを破り、タビエルの子をそこの王にしよう」。しかし、預言者イザヤは主の言葉を、アハズ王に伝えました。「主なる神はこう言われる。この事は決して行われない。また起こることはない」北のアッスリヤの王が、スリヤと北イスラエルを攻めるので、彼らは南ユダ王国にせめて来る余裕はないと、主は言われたのです。そして、主はアハズ王に言われました「
あなたの神、主に一つのしるしを求めよ、陰府のように深い所に、あるいは天のように高い所に求めよ」神様は、わたしの言葉が信じられないならば、しるしを求めよと言われることがあります。ところが、アハズは「わたしはそれを求めて、主を試みることをいたしません」と言いました。いかにも、信仰深いように、アハズは言ったのです。しかし、この言葉は、アハズの高慢以外の何ものでもありません。スリヤとイスラエルが攻めて来ると聞いて、心を動揺させ、恐れていたアハズが、一転、強気な態度をとったのです。預言者は驚いて言いました「あなたは人を煩わすことを小さい事とし、またわが神をも煩わそうとするのか」もう少し、素直な気持ちになって、主にしるしを与えてくださいと、何故言えないのか。それゆえ、主はみずから一つのしるしをあなたがたに与えられる。見よ、おとめがみごもって男の子を産む。その名はインマヌエルととなえなる。この時、イザヤに示された神のお言葉は、救い主誕生の預言でした。

アハズ王が、スリヤとイスラエルの攻撃から救われると言う神の言葉を信じなかったので、神みずから救いのしるしを与えると言われたのです。そして、そのしるしとは何百年もの後にお生れになる救い主キリストの誕生というしるしでした。

「見よ、おとめがみごもって男の子を産む、その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」これは「神われらと共にいます」という意味である。神共にいます、この事を信じて感謝いたしましょう。