2023、1、8 降誕節第3主日礼拝 牧師 川﨑善三
「幼な子の奉献」 ルカ2:21~40
ユダヤ人の男の子は、出産後8日を過ぎると、割礼をほどこしました。そして、名前がつけられたのです。イエスさまも出産後8日がたち、割礼を受け、その名をイエスと名付けられました。それから、律法に定められたきよめの期間が過ぎたとき、ヨセフとマリヤは幼な子イエスを連れて、エルサレムに上りました。「律法によって定められたきよめの期間」は、男の子と女の子は違っていました。「女がもし身ごもって男の子を産めば、七日のあいだ汚れる。その女はなお、血の清めに33日を経なければならない」(レビ12:1、4)
ヨセフとマリヤは、この戒めに従ってイエスさまの出産後33日を過ぎた頃、幼な子を連れてエルサレムへ上ったのです。
その時、不思議なことがありました。ふたりの人がイエスさまと両親に出会い不思議なことを言ったのです。シメオンという老人が、イエスさまの所にやってきました。年とった者が新しい命の誕生を喜び祝福するということは、どの民族にも、よく見られる光景です。この時も、シメオンはマリヤが連れて来た幼な子を祝福しようとして、幼な子の所にやってきました。シメオンは幼な子を腕に抱き、神をほめたたえて言いました「主よ、今こそ、あなたはみ言葉のとおりに、この僕を安らかに去らせてくださいます。わたしの目が今あなたの救を見たのですから。この救はあなたが万民のまえにお備えになったもので、異邦人を照す啓示の光、み民イスラエルの栄光であります」(ルカ2:29~32)シメオンは信仰深い人でした。彼は、イスラエルの慰められるのを待ち望んでいた人でした。エルサレムの神殿にはシメオンという老人がいて、いつも私たちのために、またイスラエルのために祈っているのだと、人々から言われている人でした。また、聖霊がシメオンに宿っていました。そして、神からつかわされる救主に会うまでは死ぬことはないと、聖霊の示しを受けていました。その日、シメオンは御霊に感じて神の宮に上ったのです。シメオンは、マリヤに抱かれているイエスを見て、この子こそがイスラエルを救う救い主、異邦人を照らす啓示の光となる救い主であると預言したのです。さらに、こう言いました「この幼子はイスラエルの多くの人を倒れさせたり立ちあがらせたりするために、また反対を受けるしるしとして、定められている」そして、マリヤに、あなたはつるぎで胸をさしつらぬかれるような悲しい経験をするでしょうと言いました。
イエスさまが救主であると言う証は、シメオンさんひとりではありませんでした。アンナという女性も証をしました。アンナは女預言者でした。娘時代に結婚し、7年間夫と共に住み、その後やもめぐらしをし、84歳になっていました。この人も、ちょうどそのときちかよってきて、神に感謝をささげ、この幼な子のことをエルサレムの救いを待ち望んでいる人々に語りきかせました。
わたしたちも、この年、イエスはわたしたちの救い主であると人々に語り告げようではありませんか。