2023、1、15 降誕節第4主日礼拝 牧師 川﨑善三
「イエスの洗礼」 ルカ3:15~22
祭司ザカリヤの子として、ヨハネは生れてきました。祭司の子ヨハネは、父と共に祭司となるはずでした。しかし、彼は神の御声を聞き荒野へ出ていき、預言者として活動を始めたのです。ヨハネは、幼い時から自分がメシヤ到来の先駆者として生まれたことを、父から聞いていました。ヨハネはその事を意識していたのでしょう。彼はらくだの毛衣を身にまとい、いなごと野蜜と食物としていました。丁度、旧約聖書の預言者エリヤのような恰好をしていたのです。ヨハネが30歳の時、神の言葉が彼の上に臨みました。
ローマ帝国の残忍な圧制下にうめいていた民は、この奇妙で粗雑で大胆なヨハネの言葉に大きな衝撃を受けました。彼はこう言ったのです。「神の国は近づいた。悔い改めて、福音を信ぜよ」ヨハネの言葉は、民衆に対する「悔い改め」でした。ひとりびとりが、罪を悔い改めてバプテスマを受けることをすすめたのです。ヨハネの言葉は、ユダヤ全土に伝えられていきました。民衆は彼の言葉に心動かされ、バプテスマを受けました。「まむしの子」と呼ばれる指導者たちでさえも、ヨハネのもとに来てバプテスマを受けようとしたのです。
ヨハネがヨルダン川でバプテスマを授けていた時、イエスさまがヨハネの所に来られました。「そのときイエスは、ガリラヤを出てヨルダン川に現れ、ヨハネのところにきて、バプテスマを受けようとされた」(マタイ3:13)イエスさまは、ガリラヤのナザレを出て、ヨルダン川に現れ、ヨハネの所に来てバプテスマを受けようとされました。罪のない神の子イエスが、パプテマスを受ける必要は全くありません。ですから、ヨハネはそれを思いとどまらせようとして言いました「わたしこそあなたからバプテスマを受けるはずですのに、あなたがわたしのところにおいでになるのですか」(マタイ3:14)しかし、イエスさまは、こう言われました「今は受けさせてもらいたい。このように、すべての正しいことを成就するのは、われわれにふさわしいことである」イエスさまは、よみがえりの初穂として、よみがえって下さいました。それと同じように、私たちが信仰を告白してバプテスマを受けることをよしとするために、ご自身もバプテスマをお受けになってくださったのです。
そして、ヨハネからバプテスマを受けて、岸に上がられて祈っていると、天が開けて聖霊がはとのような姿をとって、イエスさまの上にお降りになりました。そして、天から声がありました。「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」ヨハネが預言者として召命を受けた時と同じように、イエスさまもこの時から、キリストとしての召命を受け、福音伝道のわざにすすんで行かれたのです。
父なる神は、わたしたちにも、こう言われます「あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」このお言葉をいただいて、私たちも伝道の使命に邁進していこうではありませんか。
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