２０２３、２、１２　　　　　　降誕節第８主日礼拝　　　　　　　　牧師　川﨑善三

「いやすキリスト」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ルカ５:１２～２６

　イエス・キリストの愛と憐れみは、深い悩みと苦しみの中にある人々に届くことのできるのでした。イエスさまが、ある町に行かれると、その町で一番悲しく、みじめな立場にいる人が、イエスさまが来られたことを聞いてやってきました。この人はイエスさまが自分の病を癒す力をもつておられる事と、すべては御心のままになる事を信じていました。この人はイエスさまを見ると、顔を地に伏して願って言いました「主よ、みこころでしたら、きよめていただけるのですが」すると、イエスさまは手を伸ばして彼にさわり「そうしてあげよう。きよくなれ」と言われました。イエスさまがこの人の病に手をつけるということをされたのは、イエスさまがどれほど深い愛と憐れみを、この人に持っておられたかということの証であります。この人は驚いたでしょう。重い皮膚病を患うようになってから、自分にふれる人など誰もいなかったのに、イエスさまだけが自分に触ってくださったのです。これだけでも、おおいに感激したのですが、それ以上のことが起こりました。彼の皮膚病が、たちまち癒されたのです。イエスさまは、この人に言いました。この事はだれにも話さないようにしなさいと、彼に言い聞かせました。そして、こう言われたのです。「祭司のところに行って自分のからだを見せ、モーセが命じたとおりのささげ物をして、人々に証明しなさい」彼が社会復帰するためには、祭司の証明が必要だったのです。イエスさまは律法を守られる御方でした。この人は出て行って、イエスさまがわたしを癒してくださったと言い広めました。そこで、イエスさまの評判はますます広まっていき、おびただしい群衆が教えを聞いたり、病気をなおしてもらったりするために、ぞくぞくと集まってきました。このような時が一番危険な時でした。人々が熱狂する時こそ、イエスさまにとって危険な時はありません。サタンの誘惑が激しくなる時だからです。「しかし、イエスは寂しい所に退いて祈っておられた」（ルカ５:１６）

　それから中風の者の癒しについての記事が出てきます。「幾日かたって、イエスがまたカペナウムにお帰りになったとき、家におられるといううわさが立ったので、多くの人々が集まってきて、もはや戸口のあたりまでも、すきまが無いほどになった。そして、イエスは御言を彼らに語っておられた」（マルコ２：１、２）カペナウムの家で、イエスさまは集まってきている人々に、神の教えをお語りになっていました。すると、土壁の粉がパラパラと、イエスさまの前に落ちてきました。見ていると床の上に寝かされたまま、ひとりの人が、イエスさまの前に降ろされてきました。人々がこの人を板戸にのせたまま、イエスさまの所に連れてきたのです。イエスさまは彼らの信仰を見て、中風の者にこう言われました「子よ、あなたの罪はゆるされた」この病人は、病がいやされることを願ってやってきました。しかし、それと共に自分の罪を思い起こして、その心を痛めていました。そこで、イエスさまは言われたのです。「人よ、あなたの罪はゆるされた」主は、わたしたちの罪をおゆるし下さる御方です。