2023、2、19       降誕節第9主日礼拝       牧師 川﨑善三

 イエスさまは、ガリラヤ湖の対岸の地ゲラサ人の地に行って、ひとりの人を癒されました。その人はレギオンと言って、たくさんの悪霊にとりつかれていた人でした。彼は悪霊を追い出されて正気になり、イエスさまの足もとにすわっていました。レギオンは、イエスさまが舟に乗って帰りかけられたので、お供をしたいと、しきりに願いました。しかし、イエスさまは彼にこう言われたのです。「家に帰って、神があなたにどんなに大きなことをしてくださったか、語り聞かせなさい」。この人の場合、家族に対する伝道が彼に与えられた使命であったのです。

イエスさまは、ゲラサ人の地からカペナウムに帰って来られました。すると、おおぜいの群衆がイエスさまを喜び迎えました。みんなが、イエスさまが帰って来られるのを待っていたのです。すると、ひとりの人がイエスさまの所にやってきました。ヤイロという会堂司がやってきてその足もとにひれ伏して、自分の家においで下さるようにと、しきりにお願いしました。訳を聞いてみると、彼のひとり娘が病を患い、死にかけていると言うのです。ヤイロは必死でした。ひとり娘は、彼にとって宝物のような存在でした。イエスさまは、ただちに行動を起こされました。ところが、イエスさまのゆく所、ゆく所、おおぜいの群衆が押しかけてきて、その歩みは遅々として進まず、またそこへもって、思いもかけないような事が起こりました。群衆の中にいたひとりの女性が、イエスさまに近寄り、その衣にさわったのです。すると、その女の人の十二年間、患っていた長血がたちまちのうちに癒されてしまいました。イエスさまは言われました「わたしにさわったのは、だれか」人々は、自分ではないと言いました。すると、ペテロはこう言いました「先生、群衆があなたを取り囲んで、ひしめき合っているのです」しかし、イエスさまはそこを動かず、言われました「だれかがわたしにさわった。力がわたしから出ていったのを感じたのだ」

女は隠しきれないのを知って、震えながら進み出て、みまえにひれ伏して、イエスさまにさわった訳と、さわるとたちまち長血が癒されたことを、みんなの前で話しました。イエスさまは女に言われました「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい」そばにいた会堂司ヤイロは、この時どういう気持ちだったのでしょうか。

 イエスさまがまだ話しておられるうちに、会堂司の家から使いの者がきて言いました「お嬢さんはなくなられました。この上、先生に来ていただき、煩わすには及びません」しかし、イエスさまはこれを聞いて、ヤイロに言われました「恐れることはない。ただ信じなさい。娘は助かるのだ」イエスさまと弟子たちは、ヤイロの家に到着しました。イエスさまはペテロとヨハネとヤコブ、娘の両親を連れて部屋に入り、娘の手をとって、呼びかけて言われました「娘よ、起きなさい」(タリタ、クミ)すると娘の霊がもどってきて、娘は即座に立ち上がりました。両親は驚いてしまいました。イエスさまは救い主であり、癒し主であり、よみがえりの主であります。わたしたちにとって、主はどういう御方でしょうか。