2023、3、12      受難節第3主日礼拝        牧師 川﨑善三

「主の変容」                        ルカ9:28~36

 イエスさまは五つのパンと二ひきの魚でもって、五千人を満腹させて下さいました。

ご自分のためには、石をパンに変えることをされなかったのに、空腹の人々のためには進んで、大いなる奇跡を行い、ご自分の神の子であることを弟子たちに示して下さいました。

このしるしを見て、人々がイエスさまを王にしようと迫ってきたので、イエスさまはそこから逃げて山に上り、ひとりでお祈りしておられました。イエスさまは、そばにいた弟子たちに、ご自身がキリストであることを証して言われました「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちに捨てられ、また殺され、そして、三日目によみがえる」イエスさまは、ユダヤ人の指導者たちに捕えられ、異邦人の手に渡され、十字架につけられて死に、三日目によみがえると言われたのです。しかし、弟子たちには、この事がなんのことかわかりませんでした。

これらのことを話された後、八日ほどたってから、イエスさまはペテロ、ヨハネとヤコブを連れて祈るために山に登られました。イエスさまは、いつもと同じように彼らから少し離れた所で祈っておられました。弟子たちも同じように祈っていました。しかし、彼らは起きていることができず、眠ってしまいましたが、ふと、目をさました時、イエスさまの様子が変わっていたのです。「み顔の様が変わり、み衣がまばゆいほどに白く輝いていた」。また、この時ふたりの人が現れました。この時、イエスさまはモーセとエリヤと共に「エルサレムで遂げようとする最後のことについて」話しておられました。三人の弟子たちは意識朦朧とする中で、その話を聞いていました。やがて、目がさめたペテロが言いました「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。それで、わたしたちは小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのために、一つはモーセのために、一つはエリヤのために」ペテロの言葉の終わらないうちに、雲がわき起こって彼らをおおい、雲の中から声がありました。「これはわたしの子、わたしの選んだ者である。これに聞け」

この出来事は、何を教えようとしているのでしょうか。

その第一は弟子たちに希望を与えようとするものでした。イエスさまが十字架につけられて殺されてしまうという事は、弟子たちにとって衝撃的なことでした。彼らは深い悲しみに襲われて、ひとつ部屋に集まり、固く戸を閉ざして隠れていたのです。やがて、よみがえられたイエスさまが現れて、彼らを励まして下さったとき、ペテロとヨハネとヤコブは、主が変容されたことを思い出したのです。

また、この出来事はわたしたちにとっても大きな望みであり、励ましであります。私たちが死からよみがえる時、私たちもイエスさまと同じように、栄光の姿に変えられて御国に入れていただけるのです。「わたしたちすべては、眠り続けるのではない。終りのラッパの響きと共に、またたく間に、一瞬にして変えられる」(Ⅰコリント15:51)わたしたちも死からよみがえる時、イエスさまと同じように栄光の姿に変えられてよみがえるのです。