2023、6、18      聖霊降臨節第4主日礼拝       牧師 川﨑善三

「12年の歳月」                       ルカ8:40~56

 イエスさまが、ゲラサ人の地からカペナウムに帰って来られると、群衆は喜び迎えました。みんなが、イエスさまが帰ってこられるのを待ちうけていたからです。すると、ヤイロという人がイエスさまの所にやってきて、その足もとにひれ伏して自分の家においで下さるようにと、しきりにお願いしました。ヤイロは言いました「わたしのひとり娘が病気になり、死にかかっています。どうか、家に来て助けて下さい」イエスさまは、ヤイロとともに出ていかれました。群衆は、イエスさまのあとを追いかけるようにしてやってきました。その中に12年間、長血をわずらっている女が紛れて、イエスさまのあとを追いかけました。長血の女は、その病の癒しのために身代を、みな使い果たしてしまっていました。イエスさまの所に来たのは、最後の望みをイエスさまに期待したのです。彼女は、こう思いました「イエスさの衣のふさにでもさわれば、わたしの病は癒されるかも知れない」そして、彼女がイエスさまの衣のふさにさわると、その長血がたちまち止まってしまいました。すると、イエスさまはその場に立ち止まって言われました「わたしにさわったのは、だれか」群衆たちは、みな自分ではないと言いました。すると、ペテロが「先生、群衆があなたを取り囲んで、ひしめき合っているのです」と答えました。しかし、イエスさまは「だれかがわたしにさわった。力がわたしから出ていったのを感じたのだ」と言われました。信仰の手は、イエスさまの力を引き出すことができるのです。イエスさまはそこを動こうとはされませんでした。すると、女は隠しきれないのを知って、震えながら出てきて、イエスさまのみまえにひれ伏して、触ったわけと、触るとたちまち長血が癒されたことを、みんなの前で話ました。こで、イエスさまは女に言われました「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい」

こんなやりとりをしている間に、ヤイロの家から、人がきて言いました「お嬢さんはなくなられました。この上、先生を煩わすには及びません」この時、ヤイロの悲しみと嘆きはどんなだったでしょうか。しかし、イエスさまはこれを聞いて、ヤイロに言われました「恐れることはない。ただ信じなさい。娘は助かるのだ」そう言われて、ヤイロの家に着くと、たくさんの人々が娘のために泣き悲しんでいました。イエスさまはペテロ、ヨハネ、ヤコブおよびその子の父母だけを連れて、娘の部屋に入りました。そして、イエスさまは娘の手をとって呼びかけて言われました「娘よ、起きなさい」すると、娘の霊がもどってきて、娘は即座に立ちあがりました。

このふたつの出来事に、ひとつの共通点があります。それは12年という歳月です。長血の女の12年は、苦労の連続でした。彼女はいろいろな所に出て行ってその病の癒されることを願って、できることは何でもしまし。しかし、その病は癒されませんでした。ただ、イエスさまの所に来て、癒されたのです。ヤイロの娘の12年は、幸わせでいっぱいでした。しかし、病には勝てませんでした。イエスさまに出会って、癒されたのです。ふたりとも、イエスさまに救われたのです。この事が大切です。