2023、11、12      降誕前第7主日礼拝       牧師 川﨑善三

「荒野のへび」                       ヨハネ3:1~15

ユダヤ人の知識階級(パリサイ人たちのこと)や資産家たちの中にも、イエスさまの弟子になった人々がいました。ニコデモやアリマタヤのヨセフという人が、それにあたります。

さて、イエスさまがユダヤ人の過越の祭に、エルサレムムに上られた時の事です。イエスさまは、神の宮をきよめられました。神の宮が商売人たちで占領されていたのです。牛、羊、はとを売る者や両替する者が神の宮にすわり込んでいるのをごらんになって、なわでむちを造り、牛も羊もみな宮から追いだし、両替人の金をちらし、その台をひっくりかえし、はとを売る人々には「これらの者をもって、ここから出て行け。わたしの父の家を商売の家とするな」と言われました。そんなことがあって、エルサレムに滞在しておられた時のことです。ひとりの人がイエスさまを訪ねてやってきました。その人はニコデモと言って、パリサイ人のひとりでユダヤ人の指導者でした。ニコデモは言いました「先生、わたしたちはあなたが神からつかわされた教師であると知っています。神がご一緒でないなら、あなたがなさっておられるようなしるしは、だれにもできはしません」イエスさまが宮をきよめられたと聞いて、ニコデモはイエスさまが神からつかわされた方であるに違いないと思ったのです。

そこで、イエスさまはニコデモに神の国にはいるために、大事なことを教えて下さいました。「よくよくあなたに言っておく。だれでも新しく生まれなければ、神の国を見ることはできない」ニコデモのようにユダヤ人の指導者として、人を教える立場にある人が新しく生まれかわることが、どんなに難しいことであるかと言われたのです。ニコデモは答えて言いました「人は年をとってから生れることが、どうしてできますか。もう一度、母の胎にはいって生れることができましょうか」肉体が若返って生まれ変わるのではなく、ご聖霊によって新しく生まれ変わるということを、イエスさまは言われたのです。

 そして、イエスさまはご自身の十字架の死によって罪があがなわれ、永遠の命が与えられるということをお示しになりました。

「そして、ちょうどモーセが荒野でへびを上げたように、人の子もまた上げられなければならない。それは彼を信じる者が、すべて永遠の命を得るためである」(ヨハネ3:14、15)モーセは、青銅でへびをつくり、それをさおの上に掛けました。すべて、へびにかまれた者はそのへびを見て、生きました。イエスさまは、ニコデモにわたしは青銅のへびのように十字架にかけられるであろう。そして、わたしを仰ぎ見るものは、罪がゆるされ、永遠の命が与えられて、神の国に入れていただけるであろうと言われたのです。

「この人による以外に救いはない。わたしたちを救いうる名は、これを別にしては、天下のだれにも与えられていないからである」(使徒4:12)イエス・キリスト以外に救いはないのです。十字架の主を仰ぎ見るとき、わたしたちは救われるのです。