2023、11、26      降誕前第5主日礼拝       牧師 川﨑善三

「まことの王」                     ヨハネ18:28~40

 イエスさまに関する裁判は、夜通しかけて行われました。まず、大祭司カヤパのしゅうとアンナスのもとで裁判がありました。また、大祭司カヤパのもとで、もう一度裁判があり、カヤパはイエスさまを、ピラトのもとに送りました。ユダヤ人は、けがれないようにするため官邸の中に入ろうともしませんでした。そこでピラトの方から彼らの所に出てきて言いました「あなたがたは、この人に対してどんな訴えを起こすのか」すでに、ピラトはイエスさまには罪がないことを知っていました。すると、ユダヤ人たちはピラトに答えて言いました「もし、この人が悪事をはたらかなかったら、あなたに引き渡すようなことはしなかったでしょう」いかにも、高飛車なものの言いようです。イエスさまは、悪いことを一切しておられません。しかし、祭司長や律法学者たちからすれば「わたしは神の子である」と証言された主は、神に対する冒涜罪にあたると主張するのです。そのようなことも、すべて知っているピラトは、彼らに言いました「あなたがたは彼を引き取って、自分たちの律法でさばくがよい」すると、ユダヤ人たちは言いました「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません」彼らの本音があきらかになりました。ユダヤ人たちは、イエスさまを殺そうとしていたのです。

 ピラトは官邸に入り、直々にイエスさまに質問いました。「あなたは、ユダヤ人の王で

あるか」あなたは、人々からユダヤ人の王と言われたことがあるはずだ。それほど、あなたが人火度から尊敬され、注目される存在ならば、何故彼らはあなたを殺そうとするのかと問いかけられたのです。イエスさまはピラトに答えて言われました「あなたがそう言うのは、自分の考えからか。それともほかの人々が、わたしのことをあなたにそう言ったのか」イエスさまは、ピラトに、あなたはわたしのことをユダヤ人の王と思っているのかと問い直されたのです。ところが、ピラトはこの言葉にイラっとしたようです。「わたしはユダヤ人なのか。あなたの同族や祭司長たちがあなたを引き渡したのだ。あなたはいったい何をしたのか」あなたがユダヤ人たちたに訴えられて死刑にしようとしている、それがわたしには理解できないと、ピラトは言うのです。そこでイエスさまは、ご自身が神のキリストであると言われました「わたしの国はこの世のものではない。もしわたしの国がこの世のものであれば、わたしに従っている者たちは、わたしをユダヤ人に渡さないように戦ったであろう」イエスさまは地上の国の王ではなく、神の国の王となられる御方です。

この主にお従いして参りましょう。