2023、12、17      待降節第3主日礼拝        牧師 川﨑善三

「わたしのあとにおいでになる方」                ヨハネ1:19~28

 イエスさまが神の国の福音を宣べ伝える前に、大切な役割をになった人がひとりいます。

イエスさまはこの人のことを絶賛して、こう言われました「女の産んだ者の中で、この人ほど大きい人物はいない」この人は、バブテスマのヨハネという人で、荒野で生活していました。この人の父親はザカリヤと言って神殿で働く祭司という職にありました。時は、ユダヤの王ヘロデの時代のことです。ザカリヤはアビヤの組の祭司で、その妻はアロンの子孫のひとりで、名をエリサベツと言いました。ふたりは、大変信仰深い人々で、主の戒めと定めを忠実に守り、主の御前に正しい生活を送っていました。二人とも年老いて、子がなく静かな晩年を送っていました。そのようなザカリヤに大切な神さまの御用があたり、神の聖所に入り、香をたくことになりました。香をたくということは、お祈りするということです。民主の代表としてお祈りするわけですから、大変、大事な務めです。ザカリヤは、十分な備えをしてその日を迎えました。ザカリヤが聖所に入り、香をたきお祈りしている間、民衆は外で祈っていました。すると、主の御使が現れ、香壇の右に立ちました。御使はザカリヤに言いました「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞き入れられたのだ。あなたの妻エリザベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい」夫が妻のために祈ると言うことが、たびたびありました。イサクは、妻のために神さまに祈りました。神さまはイサクの祈りを聞いて下さり、妻はふたごをみごもりました。祭司ザカリヤも、妻のために祈っていたことでしょう。その祈りが聞き入れられたと、御使は言いました。それと共に、その子が大切な神の使命を担って生まれると言うことを伝えたのです。「彼は、主のみまえに大いなる者となりーーイスラエルの多くの子らを、主なる彼らの神に立ち帰らせるであろう」                    

この人は生まれたときから、聖別された人となりました。ぶどう酒や強い酒をいっさい飲まず、母の胎にいる時から、聖霊に満たされ、イスラエルの人々を神さまに立ち帰らせるために生まれてくると御使は言いました。この頃、イスラエルの民は救い主がお越しになることを待ち望んでいました。聖書は救い主が来られる前に、その道備えをする人が現れると預言されていました。「見よ、わたしはわが使者をつかわす。彼はわたしの前に道を備える」(マラキ3:1)ヨハネは成人して世に現れ、こう言いました「わたしは、預言者イザヤが言ったように『主の道をまっすぐにせよと荒野で呼ばわる者の声』である」(ヨハネ1:23)ヨハネかせ活動した期間は、一年か二年という短い期間でした。しかし、不正のはびこる、この世界にともされた正義のともしびを、人々はどんなに喜んだことでしょう。キリスト再臨の前に生きる私たちも、ヨハネのようにイエスさまがお越しになる道備えせていたただきましょう。