2024、1、21       降誕節第4主日礼拝        牧師 川﨑善三

「最初のしるし」                     ヨハネ  2:1~11

  主イエスは、ヨルダン川からガリラヤのカナに行かれました。五人の弟子も行動を共にしたようです。イエスさまは結婚式に出席されました。当時のユダヤ人社会の結婚式は盛大なものでした。大勢の祝いの客が集まって、二日も三日もお祝いするというようなものでした。その結婚式はイエスさまの母マリヤも行っていました。この事からイエスさまの親戚の結婚式であったと思われます。母マリヤは手伝っていました。たくさんの人々が来たので、用意していたぶどう酒がなくなってしまいました。マリヤはイエスさまの所に行って言いました「ぶどう酒がなくなってしまいました」マリヤはこれまでも困ったときには、イエスさまが助けてくれたことを憶えていました。すでに父ヨセフの名が出てこない所をみると、ヨセフは亡くなっていたようです。マリヤは、夫なきあとイエスさまを頼りにしていたと思います。ですから、イエスさまにこの時も、ぶどう酒がなくなってしまいましたと訴えたのです。イエスさまの返答はすげないものでした。「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか。わたしの時は、まだきていません」マリヤはイエスさまを、わたしの息子イエスよ、この事態を助けて下さいと言ったのですが、それは間違いでした。イエスさまはすでに神の子イエスとして活動を始められていたので、母マリヤとの関係は、もはや母と子という関係ではないと言われたのです。そして、言われました「わたしの時は、まだきていません」。イエスさまの行動は、すべて父なる神の御旨に従って行われました。わたしは自分から行うのではなく、父がわたしに教えて下さることに従って行うのであると、イエスさまは言われました。イエスさまはどんなに小さいことも、父の許しがなければ行われなかったのです。ですから、この時は、まだ神さまのお許しがきていないと言われたのです。マリヤはこのことばを理解しました。そして、イエスさまは困っている人を見捨てるようなことはされないと信じていました。マリヤはこう言ってその場を立ち去りました。「このかたが、あなたがたに言いつけることは、なんでもしてください」私たちも、マリヤのような信仰を持ちたいと思います。私たちは、今すぐ助けて下さいと祈ります。しかし、神さまの側では、一番よい時を備えていてくださいます。どんな事でも「神の時」があります。「神のなされることは、みなその時にかなって美しい」

(伝道3:11)とあるとおりです。神さまは、一番良い時に一番良いことをして、私たちを助けてくださると信じていきたいと思います。イエスさまは、僕たちに水がめに水を満たしなさいと言われました。僕たちはイエスさまの言われたとおりにしました。そして、それをくんで、料理がしらの所に持っていきました。料理がしらは、ぶどう酒になった水をなめて言いました「どんな人でも、初めによいぶどう酒を出して、酔いがまわったころにわるいのを出すものだ。それだのに、あなたはよいぶどう酒を今までとっておかれました」イエスさまは、水をぶどう酒に変えるというしるしを行ってくださいました。私たちの日常生活が、水からぶどう酒に変わるのです。神に感謝する毎日、それはぶどう酒に変えられた毎日です。