2024、6、9      聖霊降臨節第4主日礼拝        牧師 川﨑善三

「賜った地の実の初物」                    申命記26:1~11

イスラエルの民は、BC1200年頃、モーセというひとりの人によってエジプトから救い出されました。それに先立つこと400年ぐらい前に、ヤコブとその家族70人が移住してきた事によって、イスラエルの民はエジプトの国で増え広がっていき、モーセと共にエジプトを出る時には、成人男性の数が60万人にも達する大きな民族になっていました。大人の男性だけで60万人ですから、幼い子どもから老人までのすべての人を数えるとすれば、その数は、おおよそ200万人、あるいは300万人と云う人々が、エジプトの国から出ていったのです。そのような、おびただしい人々を引率していかなければならなかったのですから、モーセの苦労がどんなものであつたかは、出エジプト記の中に記されていますので、また学ばせていただきたいものであります。モーセは、120歳という高齢で、神のみもとに召されていきました。「モーセは死んだ時、120歳であったが、目はかすまず、気力は衰えていなかった」(申命記34:7)私たちも、このような最後を迎えたいものであります。そのためには、神の宮である、このからだを大切していきたいものであります。そして、モーセの後継者として、ヨシュアという人が神さまに選ばれて、立てられました。ヨシュア、ギリシャ語ではイエスであります。彼は、モーセの手に水を注いだものとして、聖書に紹介されています。それは、モーセの忠実な従者という意味であります。神さまは、ヨシュアを励まして云われました「強く、また雄々しくありなさい。あなたがどこへ行くにも、あなたの神、主が共におられるゆえ、恐れてはならない。おののいてはならない」(ヨシュア記1:9)ヨシュアに率いられたイスラエルの民は、あっという間に、カナンの地を占領しました。もちろん、その地の人々をすべて追い出して占領したと言うのではなかったと思います。その拠点と言われるような場所、町を占領しただけであったと思われます。彼らは、約束の地に入り、そこに根をおろし始めました。そして、第1年目に種を蒔き、その年の収穫時期が来て、その地の初物が実った時、人々はその初物をもって「主がその名を置くために選ばれた所」すなわち、神の契約の箱が置かれていた所、それは祭司エリの時代はシロという町がその所でした。やがて、ダビデ王の時代、ダビデはシロからエルサレムへ契約の箱をかつぎ上ります。ヨシュアの時代、神の契約の箱が、どこにあったかは定かではありませんが、イスラエルの民は、その地の初物を神の前に携えてきて言いました「主よ、ごらんください。あなたがわたしに賜った地の実の初物をいま携えてきました」どんなに、嬉しかったことでしょうか。喜びをもって、主に捧げものを献げたのです。私たちも、まず、神さまへの捧げものをささげて、感謝の心を表したいと思います。