2024、6、23 聖霊降臨節第6主日礼拝 牧師 川﨑善三
「祈 り」 歴代志下 6:12~21
イスラエルの王となったダビデの家庭は、複雑でした。彼には、何人ものそばめがあり、何人もの子がありました。そばめを持つ事は、その時代、何んの不思議でない時代ですから、後世の私たちが、とやかく言うことではありません。何人もの子がある中で、ソロモンはダビテの10番目の子でありました。ダビデは、イスラエルのすべての長官、部族の長を前にして、ソロモンを後継者として立てました。ダビデ王もそうですが、神の選びと言うものは普通の人には考えられないような所が、沢山あります。ダビデは、ベツレヘムびとエッサイの8番目の子でありましたが、神の選びによって、イスラエルの王と立てられました。ソロモンも、まさか自分がダビデの後継者になるとは考えてもいませんでした。ですから、ソロモンの口から出てくる言葉も、感謝いっぱいの言葉でありました。「イスラエルの神、主はほむべきかな。主は口をもってわが父ダビデに約束されたことを、その手をもってなし遂げられました」(歴代志下6:4)神さまに仕える人のその信仰のあり方と言うものが、よく表れています。ソロモンは、20年かけて、主の宮と王宮を建築しました。治世の半分を、その事業のために費やしました。動員された人々の数、また、費やされた費用は莫大なものであったでしょう。神の宮の内側は香柏、香りよき木材が用いられ、その表面は金箔が張られているという豪華なものでした。それだけの大事業を成し遂げたのですから、少しは、自慢するかと思えば、ソロモンという人はそういう人ではありませんでした。「主は、その手をもってなし遂げられました」と言い、神さまに栄光を帰しました。このような告白こそが、信仰者の言葉だと言うことができます。ソロモンにとって、主の宮が完成し、奉献の日を迎えることができたことは、大きな喜びの日でありました。どれだけ感謝してもしきれないような、すばらしい日でありました。そんな日に、ソロモンは、神さまにどのような祈りを捧げたのでしょうか。彼は、神さまの約束を、いま一度、わたしとわたしの民のために確認して下さいと祈りました。「あなたは契約を守られ、心をつくしてあなたの前に歩むあなたのしもべらに、いつくしみを施し、あなたのしもべ、わたしの父ダビデに約束されたことを守られました」(歴代志下6:14、15)神の約束に訴え、その約束の言葉により頼んで、祈る祈りが、神さまに喜ばれる祈りと言えます。
「主なる神よ、あなたの約束のお言葉はこうです」と祈ってまいりましょう。
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