2024、7、28       聖霊降臨節第11主日礼拝     牧師 川﨑善三

「12弟子の派遣」                  マタイ9:35~10:16 

 最初のうち、イエスの弟子たちは、イエスさまが語られる御国についての教えを聞き、キリストの奇跡的なみわざを目撃し、祈り方や、その働きについて学ぶことになりました。

学びの始めは、「見る」と言うことであります。昔、わが国では、徒弟制度と言う教育のシステムがありました。弟子が、師匠のやっていることを「見る」ということが、学びの始まりでした。イエスの弟子たちも、最初はイエスさまのうしろ姿を見て、伝道者のあり方というものを教えられました。「イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行い、その栄光を現された。そして、弟子たちはイエスを信じた」(ヨハネ2:11)最初のしるしはガリラヤのカナで行われました。イエスさまは、その日、水をぶどう酒に変えるという奇跡を行われました。このしるしが弟子たちに信仰を与えました。イエスさまがキリストであると信じたのです。彼らがしるしを見た所から始まりました。12弟子はイエスさまが行われたしるしを見ました。御国についての教えを聞きました。祈りについて、それから、毎日の生活をどのように送るかについての教えを聞きました。そこから彼らは、いま、派遣されようとしているのであります。「飼う者のない羊のように弱り果てて」倒れているその時代のイスラエルの人々をご覧になって、イエスさまは彼らを深く憐れまれました。今でも、神さまを求めている人が、たくさん、いらっしゃいます。現代は、伝道のむずかしい時代であると言われます。伝道の困難は、強いものが力をもって、弱い人を助けるのではなく、弱い者が、愛をもって強い人を助ける所にあります。世の中の考えによれば、そんなことは不可能であるというでしょう。しかし、聖書はみな、そのような事が起こったと言うことが証されています。「人々は、ペテロとヨハネとの大胆な話しぶりを見、また同時に、ふたりが無学な、ただの人であることを知って、不思議に思った」(使徒4:13、14)神さまは、ただの人を用いられます。それは羊をおおかみの中に送るようなものであります。危険がいっぱいです。主は言われます「へびのように賢く、はとのように素直であれ」へびは、サタンの象徴です。この世は、サタンの支配下にあります。その中に入っていって、サタンのとりこになっている人々を救い出すのですから、大変であります。サタンのあざむきに会っても惑わされないように、まことの知恵を神様に求めてまいりましょう。私たちの伝道がはかりごとによるものであってはなりません。真実と誠実をもって、キリストを証しする責任があると言えます。はとは、聖霊を表すものであります。   はとのように純真、純朴であって人から愚かと言われようとも、変に小賢しいよりは実直であることを求めていきたいと思います。「イエスは12弟子を呼び寄せて汚れた霊を追い出し、あらゆる病気、あらゆるわずらいをいやす権威をお授けになった」(マタイ10:1)私たちも、ここから、キリストによってつかわされてまいりましょう。