2024、11、24 降誕前第5主日礼拝 牧師 川﨑善三
「荒野で呼ばわる者の声」 マルコ1:1~11
イエスさまに関する記録、すなわち、証言は、四人の著者によって書き記された四つの福音書が、それであります。福音書は、聖書の中で最も需要な部分であります。それは、聖書の残り全部より重要であり、世界中のすべての書籍のなかで、最も重要な書物であります。他の事は知らずにすませることができたとしても、キリストのことを知らなくてはすまされないからであります。マタイ福音書は、エルサレム教会に宛てて書かれ、マルコ福音書は、ローマ教会に、ルカ福音書は、ローマ政府の高官テオピロに宛てて書かれたもので、ヨハネ福音書は、エペソ教会に宛てて書かれました。マルコ福音書は、一番最初に書かれたようです。マルコの母は、イエスの弟子であり、彼の家はエルサレムにあって、イエスさまは、マルコの家にたびたび泊っておられました。最後の晩餐の席を設けられたのも、マルコの家の二階であり、主がよみがえられた日、十一人の弟子たちが息をひそめて、部屋に閉じこもっていた家も、彼の家であつたように思われます。マルコは、ペテロの導きにより回心し、弟子となりました。マルコ福音書は、ペテロが彼に、イエスさまの事を話し、それをマルコが口述筆記したものであると言われています。ペテロが語ったものであるという証拠が、その文体に表れています。例えば、「すぐに」という言葉がくりかえして出てくる、直情実行型のペテロの性格を反映した口調であると言われています。「それからすぐに」(マルコ1:12)「それから、彼らはカペナウムに行った」(マルコ1:21)「それから会堂を出るとすぐ」(マルコ1:29)等であります。マルコ福音書の冒頭は、洗者ヨハネについてであります。「神の子イエス・キリストの福音のはじめ。預言者イザヤの書に『見よ、わたしは使をあなたの先につかわし、あなたの道を整えさせるであろう』」ヨハネは、救い主イエス・キリストがお越しになる前の先触れとして、神さまから遣わされた人でした。「わたしよりも力のあるかたが、あとからおいでになる。わたしはかがんで、そのくつのひもを解く値うちもない」ヨハネは、旧約時代の最期の預言者として、彼の役割と使命が示されています。イエスさまは言われました「女の産んだ者の中で、バプテスマのヨハネより大きい人物は起こらなかった」(マタイ11:11)主は、彼のことをこのように絶賛しておられます。それと共に「しかし、天国で最も小さい者も、彼よりは大きい」天国で、最も小さい者とは、私たちのことであります。最も小さい者であってもバプテスマのヨハネよりも、大きな恵みに与かることができると言う、主のお言葉であります。そのような大きな特権にあずかる私たちに、イエスさまは言われます。「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ」
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