20234、12、22 待降節第4主日礼拝 牧師 川﨑善三
「おおきな喜び」 ルカ2:1~15
イエス・キリストは、紀元前4年頃、お生まれになりました。今となっては、イエスさまがお生まれになった日時を特定することはできません。この日に違いないと確定できるような資料が発見されていないからであります。皇帝アウグストが全世界の人口調査をせよとの勅令を出しました。ナザレに住んでいたヨセフとマリヤは、先祖の町ベツレヘムに帰って行きました。そして、登録をすませようと順番を待っていた所、マリヤは月が満ちて初子を産みました。そのみどりごは、布にくるまれて飼葉おけのなかに寝かせられました。神の子イエスさまの誕生は、最悪の状況であったことがわかります。神の子イエスは、そのすべての栄光を捨てて、ひとりの人の子として、この世にお生まれになりました。「客間には、彼らのいる余地がなかったからである」(ルカ2:7)この言葉は、イエスさまのご生涯を象徴する言葉であります。「すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。彼は世にいた。そして、世は彼によってできたのであるが、世は彼を知らずにいた。彼は自分のところに来たのに、自分の民は彼を受け入れなかった」(ヨハネ1:9~11)やがて、全世界の王となられる方がお生まれになったと言えば、世界中の人々は、その幼な子の所に殺到するでしょう。しかし、誰も救い主がお生まれになったとは信じなかったのです。しかし、神さまはこの事を、ある人々に知らせようとされました。ベツレヘムの郊外で、野宿しながら羊の番をしている羊飼たちに、この事をお知らせになりました。御使は言いました「見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。この方こそ主なるキリストである」(ルカ2:10、11)ひとりのみどりごがお生まれになった。世の人々は、それがどうしたと言うかも知れません。しかし、神が人となられたと言うことを知ったならば、人々はどんなに驚くことでしょうか。御使が知らせてくれた出来事は、驚くべき、恐るべき出来事であります。それで、御使は「恐れるな」と言いました。これから、あなたがたが見ようとすること、聞こうすることは恐るべきことである、しかし、恐れるには及ばない。この出来事は、あなたがたにとって大きな喜びとなる出来事です。あなたがただけではなく、これから、救主を信じる人々にとっても大きな喜びの出来事です。御使が、天に帰っていったので、羊飼たちは言いました「さあ、ベツレヘムに行って、主がお知らせ下ったこの出来事を見てこようではないか」。神からの知らせを聞いて、すぐに行動する人は幸いであります。御使は、羊飼たちにベツレヘムに行きなさいと言ったわけではありません。行けば、そのしるしを見るであろうと言っただけです。羊飼たちは、それに答えて「さあ、行こう」と立ち上がりました。「いざ、行かん」私たちも、救主のみもとに、今すぐ行こうではありませんか。
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