2025、12、14   待降節第3主日礼拝   牧師 川﨑善三

「荒野の人」              ルカ1:57~66

 人間ひとりひとりの存在は、すべてのことにおいて意味があります。どんな人であっても、この世に生まれてきて存在しなくてよいと言うような人は、ひとりもいません。ひとり、ひとりが神さまから命を受けて、この世に生まれてきているのですから、私たちは自分を大切にすると共に、自分以外の人をも大切にすべきであります。聖書は、いろいろなタイプの人が、二千年前の世界に生きていたと言う事を証言します。それと共に、どのような役割を果たす存在であったかを人々に伝えようとしています。ルカによる福音書は、イエス・キリストの弟子となったシリヤのアンテオケ出身の医師ルカが、テオピロ閣下にあてて書かれたものです。ルカは、これに続いて使徒行伝を書きました。ルカは、ギリシャ人で素養があり、その文章もすばらしいものです。神さまは、そのような人をお選びになりました。当時の医師は、ユダヤ人からは汚れた職業についている者という差別を受けていました。彼がイエス・キリストを信じるようになったのは、ひょっとしたら、そんな所にあるかも知れません。ルカ福音書の特徴は、イエス誕生の前に、キリストの先駆者となったヨハネの誕生を語っていることです。「アビヤの組の祭司で、名をザカリヤという者がいた。その妻はエリサベツといった」ヨハネは、祭司ザカリヤの息子として生まれました。当時、エルサレム神殿につかえる祭司集団は、24組ありました。ザカリヤは、その中の第8番目の属する人でした。祭司職は、代々の世襲制でザカリヤの父も祭司でした。しかし、その職もザカリヤの代で途切れてしまいそうな状況でした。ザカリヤも、その事はよくわかっていました。しかし、人間の方策がすべて行き詰まってしまう時こそ、神さまが働かれる時です。ザカリヤは、くじを引いたところ、そのくじが当たり、聖所に入って香をたくことになりました。ザカリヤが香をたいている間、聖所の外ではユダヤ人の男子、婦人たちが祈っていました。その時、香壇の右側に、いきなり主の使が現れて言いました「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈りが聞き入れられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名付けなさい」子どもが生まれてくる前に、その名が神によって名付けられた人は、そんなに多くありません。福音書に限れば、ヨハネとイエスさまだけです。ヨハネは、どういう人でどんな役割を担って生まれてきたのでしょうか。「彼は、ぶどう酒や強い酒をいっさい飲まず」と御使が言います。ヨハネは、生まれた時から聖別された人でした。そして、母の胎内にいる時から、聖霊に満たされていました。それから旧約聖書に預言されている人でした。最後に、ヨハネの役割は、「彼は、父の心を子に向けさせ、逆らう者に義人の思いを持たせて、整えられた民を主に備えるであろう」キリストが来られる前に、彼は道備えをする役割を担って生まれてきました。父と子の関係がうまくいっていない世の中に、神さまがお造りになった目的にかなう人間関係が回復される、そして救い主が来て下さるのです。今、私たちが、このヨハネの役割を担う者として、救われていることを憶えましょう。