2018、7、1            聖霊降臨節第7主日礼拝       牧師 川﨑善三

「枯れた骨」                         エゼキエル37:1~10

預言者エゼキエルが活動した時代はイスラエルの人々にとって激動の時代でした。北にはバビロニアという大国があり、南にはエジプトがあってその覇権争いに絶えず巻き込まれていました。そのような状況のもとでバビロニア帝国はついにユダ王国を侵略しました。紀元前597年にエルサレムは陥落し、王と大勢の人々が、バビロンに連れ去られました。バビロン捕囚という歴史的大事件が起こりました。連れ去られて行った人々の中に預言者エゼキエルがいました。エゼキエル書は、他の預言書にはないひとつの特徴があります。それは、神さまがエゼキエルはいろいろな幻を見せられたということです。「第30年の4月5日に、わたしがケバル川のほとりで捕囚の人々のうちにいた時、天が開けて神の幻を見た」(エゼキエル1:1)神さまが、幻を見せて将来起こるべきことを、預言者に示して下さいました。神さまはイスラエルの人々が罪を犯し続けるがゆえに懲らしめるが、将来において、人々をエルサレムに連れ戻して下さることを示されました。「主の手がわたしに臨み、主はわたしを主の霊に満たして出て行かせ、谷の中にわたしを置かれた。そこには骨が満ちていた」(エゼキエル37:1)神さまは預言者に信仰を与え、希望を与えるために幻を見せられました。うす暗い谷の中にたくさんの骨が散乱していました。その骨のひとつ、ひとつはいたく枯れていました。神は彼に言われました「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか」。預言者は「これらの骨は生き返ることはできません」と言いませんでした。彼は神の全能の力を信じていたからです。神さまは預言者に、こう言いなさいと言われました「枯れた骨よ、主の言葉を聞け。見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす。わたしはあなたがたの上に筋を与え、肉を生じさせ、皮でおおい、あなたがたのうちに息を与えて生かす」エゼキエルは教えられたように枯れた骨に預言しました。すると、声がありました。たくさんの人が出現しましたが、息はその中にはありません。神さまは預言者に言われました「人の子よ、息に預言せよ、息に預言して言え。息よ、四方から吹いて来て、この殺された者たちの上に吹き、彼らを生かせ」預言者が、そのように言うと、人体の中に息が吹き込まれて、足で立ち、はなはだ大いなる群衆となりました。神さまは、この幻によってバビロン捕囚となって連れ去られた人々が、捕囚から解放されてエルサレムに帰ってくると、エゼキエルに示して下さいました。「わが民よ、見よ、わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓からとりあげて、イスラエルの地にはいらせる」人の考えでは枯れた骨が生き返るということは、全く考えられないことです。このことは、死んだ人間が生き返るという福音の神髄、そのものであります。私たちは、イエス・キリストを信じる前は、この枯れた骨と同じでした。罪と罪過によって死んでいたのです。「あなたがたは、先には自分の罪過と罪とによって死んでいた者であってーーー神はその大きな愛をもって、罪過によって死んでいたわたしたちを、キリストと共に生かして下さったのである」(エペソ2:1、4、5)枯れた骨も生き返ることができました。私たちは、その枯れた骨であったのです。