2018、9、2     聖霊降臨節第16主日礼拝      牧師 川﨑善三

「すべての民に」                        マルコ 13:1~13

 イエスさまは、終末について弟子たちにお話しになろうとしていました。受難週の四日目、すなわち水曜日に神の宮から出て行こうとされたとき、弟子たちが近寄ってきて、こう言いました「先生、ごらんください。なんという見事な石、なんという立派な建物でしょう」エルサレムにあった神の宮は、最初ソロモン王によって建てられました。ところが、バビロンのネブカデネザル王の侵略によって、ことごとく破壊されてしまいました。バビロンから帰ってきたイスラエルの人々は、第二神殿と呼ばれる神の宮を建築しました。そして、イエスさまと弟子たちが見ていた神殿は、ヘロデ王によって四十六年もかかって建てられた三番目の神殿でした。弟子たちが、その見事な石、立派な建物を誇りたくなるのも当然です。しかし、イエスさまは意外な言葉を口にされたのです。「あなたがたは、この建物を見て誇っているのか。この宮のその石ひとつでもくずされないままで、他の石の上に残ることはないであろう」聖書は、この世界は神の意志によって始められ、そして必ず終わりがやってくると教えています。イエスさまは、世の終わりにはこの宮はなくなってしまうと言われたのです。弟子たちはイエスさまの言われたことが理解できたので、オリブ山でイエスさまに尋ねました。「先生、いつ、そんなことが起こるのですか。また、あなたが再びおいでになる時や、世の終わりにはどんな前兆がありますか」そして、イエスさまは話し始められました。この時のイエスさまの言葉にはふたつの事柄がまざっています。
 ひとつはエルサレムの滅亡に関する預言であり、もうひとつはキリストの再臨と世の終りに関する預言です。「人に惑わされないように気をつけなさい。多くの者がわたしの名を名のって現れ、自分がそれだと言って、多くの人を惑わすであろう」キリストの再臨の際には「日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされる」とイエスさまは言われました。自然界がことごとく破壊されるかのような前兆が現れ、人心は騒然として、人々は絶対的なものに頼ろうとします。そうしたら、そこへ私の言うことが絶対だ、まちがいのないことだと言う偽キリストが現れると、イエスさまは言われました。あなたがたの信仰を惑わそうとするから気をつけなさいと言うことです。「あなたがたは自分で気をつけていなさい。あなたがたはわたしのために衆議所に引き渡され、会堂で打たれ、長官たちや王たちの前に立たされ、彼らに対してあかしをさせられるであろう」戦争という社会的な災い、天変地変という天災に加えて、ひとりひとりの信者に個人的な災難が襲ってくるとイエスさまは言われました。しかし、そのような機会はわたしのことをあかしする機会でもあるので、喜びなさいと言われました。社会的に平穏な時代が伝道に良い時だと言うのではなく、悪い時代こそ私たちの信仰の証が立てられる時だということです。「こうして、福音はすべての民に宣べ伝えられねばならない」今は恵みの時、救いの門が開かれているときです。そして、世の終りのときであることを覚えていなければなりません。